夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『キスキス,バンバン L.A.的殺人事件』

2006年09月16日 | 映画(か行)
『キスキス,バンバン L.A.的殺人事件』(原題:Kiss Kiss Bang Bang)
監督:シェーン・ブラック
出演:ロバート・ダウニー・Jr.,ヴァル・キルマー,ミシェル・モナハン他

テンポ抜群、大々的に公開されなかったのが惜しい、
クライム・アクション・コメディ。
久々に最初から最後まで笑いっぱなし。

N.Y.に暮らすハリーはショボい泥棒。
今夜も空き巣に入るが、ドジって警報器を鳴らしてしまう。
階上のおばちゃんは泥棒を逃がしてたまるかと銃を乱射。
ただちにパトカーが駆けつける。

ハリーが逃げ込んだのはハリウッド映画のオーディション会場。
応募者とまちがわれたハリーは、
逃走中のテンションの高さが幸いして迫真の演技を披露。
オーディションを見事にパスして、
探偵役のスクリーンテストを受けるため、L.A.へ。

ハリウッドのセレブたちが集まる屋敷のパーティーに招かれたハリーは
探偵の役作りのため、本物の探偵でゲイのペリーに指南を乞う。
ふたりは翌日から行動をともにする約束をして屋敷を出る。

パーティーで見かけた三流女優ハーモニーに惹かれたハリーは
彼女の後を追ってパブに入る。
意を決してハーモニーに声をかけると、
「かわいい子がいっぱいいるのに、どうして私?」と問いただされる。
よくよく会話を進めてみれば、惹かれて当然、
ハーモニーは実は幼なじみ、ハリーの初恋相手だった。
憧れの女性に再会して心を弾ませるハリー。

翌日、探偵の見習いを始めたハリーが
ペリーに同行してターゲットを尾行中、目の前で車がかっ飛び、池に沈む。
トランクを開けてみれば女性の死体。
さらに別の場所でハーモニーの妹が自殺。
この2つの遺体はどこか接点があるらしい。
泥棒とゲイの探偵コンビのドタバタ捜査が始まる。

ハリー役はヤク中のロバート・ダウニー・Jr.、
ペリー役は超ワガママで有名なヴァル・キルマー。
ハリウッドの筋金入り問題児のふたりですが、コメディ・センスに脱帽。
ペリーの足をとことん引っ張るハリーと
冷ややかな目のペリーの掛け合いは絶妙。

アクション・シーンのおもしろさもさることながら、
初恋の人の前ではハリーが何もできなくなるところがおもしろい。
ホテルの一室、「何もしないなら隣に寝てもいい」とハーモニーから言われて
目はギンギンなのにまったく手を出せずにいるハリーの姿は
吹き出してしまうほど可笑しい半面、愛おしさも感じます。

最後は痛快、もちろんハッピーエンド。
胸に撃ち込まれた弾丸の痛みよりも上ですね、初恋の胸の痛み。

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