夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アイス・ハーヴェスト 氷の収穫』

2006年09月20日 | 映画(あ行)
『アイス・ハーヴェスト 氷の収穫』(原題:The Ice Harvest)
監督:ハロルド・ライミス
出演:ジョン・キューザック,ビリー・ボブ・ソーントン,コニー・ニールセン,
   ランディ・クエイド,オリヴァー・プラット他

私の大好きな2人の役者、
ジョン・キューザックとビリー・ボブ・ソーントンが
揃って出演しているというのに日本では未公開。

弁護士のチャーリーはヤクザと馴れ合いの果て、
にっちもさっちもいかなくなる。
クリスマスイヴの夜、人生の一発逆転を狙うチャーリーは、
カンザスの田舎町ウィチタから抜け出すため、
同業者のヴィクと手を組んで、ヤクザのボスの有り金を全部だまし取る。
すぐに動いては目立つだろうと、
明朝高飛びするまでは普段と同じく別行動をすることに。

チャーリーは行きつけのストリップバーへ。
目立つことをしてはいけないと
ヴィクから釘を刺されているにもかかわらず、
たちの悪い客に絡まれていたストリッパーを助けると
カネ払いのいいところも見せてしまう。

チャーリーの様子がちがうことに気づいたのが
ストリップバーの美人経営者レナータ。
前々からチャーリーの好意に勘づいていた彼女は
「ウィチタから出ていくつもりなら私も一緒に」と囁く。

やがて2人の仕業に気づいたヤクザのボスは、
チャーリーとヴィクの立ち寄りそうな店に
次々と用心棒を送り込み、血眼になって2人を探しまわる。

一刻も早くレナータを連れて逃げたいチャーリーだが、
カネはヴィクに預けたまま。
カネの在処を聞こうとヴィクの自宅を訪ねてみると
そこにあったのは人間の指で……。

同じ2人が共演する『狂っちゃいないぜ』(1999)の
人生の変わる瞬間には勝てませんが(これは私の中で傑作)、
この2人が主演ならおもしろくないわけがありません。
以前、「金(カネ)に目がくらむ」というネタを書いたことがありますが、
本作もカネに目がくらんで、登場人物の誰もが
目の前の人間を疑い始める心理描写が見事です。

もっとも笑ったシーンはリンカーンとベンツの対比。
巨漢の用心棒を取り押さえて箱に詰めたヴィクは
リンカーンの後部座席にその箱を入れようとします。
だけど、大きすぎて入らない。
チャーリーが「俺のベンツに入れよう」と言うと、
ヴィクは「リンカーンに入らないのにベンツに入るわけがない」。
観ている私もそう思う。ところがスッポリでびっくり。

怪しげな箱を運ぶならベンツ。

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