夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『私は猫ストーカー』

2010年01月18日 | 映画(わ行)
『私は猫ストーカー』
監督:鈴木卓爾
出演:星野真里,江口のりこ,宮崎将,品川徹,諏訪太朗,
   瀬々敬久,黒沢久子,麻生美代子,徳井優,坂井真紀他

イラストレーターの浅生ハルミンの同名エッセイがベース。
どんなに愛しくても、いつしかいなくなってしまう猫。
ふれあえる時間はわずかだから、
主人公は、可能なかぎり、猫をつけ回します。(^^)

東京の下町に住む、イラストレーターの卵、ハル。
イラストを描く仕事のかたわら、
近所の古本屋でアルバイトをしている。
とにかく大の猫好きで、空いた時間は猫を探して町を散策。
猫を見つけると追わずにはいられない。

古本屋のレジには、キジトラ猫の“チビトム”が鎮座。
チビトムと一緒に過ごせる勤務時間が幸せでたまらないが、
もうひとりのアルバイトの真由子は、
そんなハルの様子を見ては眉間にしわを寄せる。
「ハルさんって、猫さえいれば幸せ……って人じゃないでしょうね?」。

古本屋の店主夫婦は、寡黙で地味なご主人と、
元ホステスだったという明るい奥さん。
一風変わった組み合わせだが、とても幸せそう。
ところが、ある日、1冊の古本のせいで、痴話喧嘩となる。

すると、飼い主夫婦の間の不穏な空気を察したのか、
突然チビトムが行方不明に。
奥さんは愛猫の失踪に半狂乱になり、
あまり心配しているとも思えないご主人に八つ当たり。
自分も家を飛び出してしまう。

チビトムが帰ってくれば、奥さんも戻ってくるのでは。
真由子はチビトムのポスターを作成し、町中に貼る。
ハルもチビトムの行きそうな場所を探し始めるのだが……。

猫にやたら詳しく、「猫が世界を救う」とまで言い切る猫仙人。
猫のことなら任せろと言うわりには、全然頼りにならない僧侶らしき人。
猫ストーカーのハルをストーカーしているとおぼしき古本屋の常連客。
特にストーリーがあるわけでもなく、
ただ、こういった人びとと谷根千(やねせん)の町で過ごす時間が
実にゆるゆると流れるので、睡魔に襲われる人もいるかも。

でも、猫好きの方には強くお薦めしたいです。
画面の中の猫と目が合って喜んでみたり、
猫のちょっとした仕草に頬がゆるんでしまったり、心がほっこり。
「簡単には触らせてくれない猫に触らせてもらう極意」も可笑しいです。

猫以外の部分では、古本屋のご主人の台詞、
「感傷ってあるじゃない。次元がちがうんだよなぁ」には
妙にしんみり、うなずいてしまいました。

ここにいるよ。

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