夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『おいしい殺し方 A Delicious Way to Kill』

2010年01月08日 | 映画(あ行)
『おいしい殺し方 A Delicious Way to Kill』
監督:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:奥菜恵,犬山イヌコ,池谷のぶえ,真木よう子,
   久ヶ沢徹,長谷川朝晴,みのすけ,山崎一他

年末に『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)を観て凹んだのに、
正月には『光の雨 連合赤軍事件』(2001)を観て余計に疲れ、
気分転換したいと思って観た2006年の作品。
元々はBSフジとGyaO!で放映されたんだそうな。

監督の本名は小林一三で、「かずみ」さんと読みますが、
漢字だけ見れば阪急グループの創業者と同じだぁ。
『グミ・チョコレート・パイン』(2007)より前の作品で、
ゆる~い脱力系コメディでありながら、
謎解きも楽しいミステリー&サスペンスです。

小学校教諭の消崎ユカは、若くて綺麗な女であるにもかかわらず、
料理の腕があまりに下手なせいで、
手料理をふるまった相手には必ずフラれる。
なのに、またもや新しい恋人にリクエストされ、料理教室に駆け込む。

初日、偶然隣り合って座ったのは、教頭の妻、白石カナエ。
教頭はカナエが作る弁当を毎日こっそり捨てていたが、
そのことになんとなく気づいていたカナエは、
教頭には内緒で料理を習う決意をしたのだ。

料理教室の講師は、大人気の料理研究家、東大寺ハルキ。
自意識過剰なユカに興味を引かれたハルキは、
ふたりで話そうとメールを寄越す。
ユカがつれない返事を送ると、その後、ハルキが行方不明に。
そして、自宅マンションの屋上から飛び降りたとおぼしきハルキの死体が。

罪の意識に駆られるユカだったが、
ハルキの美人妻による殺人を疑うカナエは、
ハルキと同じマンションに住む、友人の山内キヨミに協力を要請。
3人は捜査を始めるのだが……。

本作を観れば、奥菜恵の株が急上昇すること間違いなし。
声からしてハイテンションの犬山イヌコ、
80kgを超える巨漢の池谷のぶえ。
このトリオ素人探偵のボケっぷりとかみ合わない会話は、
間(ま)が絶品で、めちゃ可笑しい。
『ズッコケ三人組』の大人の女版といった雰囲気。

メイキングで述べられているとおり、
ユカが小学校教諭であることがわかる場面ではちとビックリ。
その場面に至るまでは、まさか先生だなんて想像もできません。
男にフラれて生徒に当たり散らすユカに、
生徒が声を揃えて「大人げない」と言うのもワラけます。
疲れをぬぐい取ってくれる、和める一作なのでした。

ちなみに、『光の雨』より断然『実録・連合赤軍』。

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