『罪と悪』
監督:齊藤勇起
出演:高良健吾,大東駿介,石田卓也,市川知宏,勝矢,奥野壮,坂元愛登,田代輝,柴崎楓雅,
石澤柊斗,深澤幸也,大槻ヒロユキ,守屋茜,本田旬,村上淳,佐藤浩市,椎名桔平他
前述の『映画版 ギヴン 柊mix』の後、同じくTOHOシネマズ西宮にて。
気になるから観に行こうか、だけどこれを観に行くと帰りが午前0時を回るのよねと躊躇していたところ、
知り合いの兄さん(=エキストラが趣味)が出演していると教えてもらい、確認すべく。
監督はこれが長編デビュー作となる齊藤勇起で、自身によるオリジナル脚本。
同じサッカー部に所属する親友同士だったが、ある日、河原で正樹の遺体が発見される。
前日に正樹が一人暮らしの中年男のもとへ立ち寄っていたことを知った3人は、
そいつが何か知っているにちがいないと家へ押しかける。
そこにあったのは、血のついた正樹のスパイク。犯人はこの男で確定だろう。
怒りに駆られた朔が男をシャベルで殴打し、男は死んでしまう。
春は、呆然とする朔と晃をその場から逃がすと、ひとりですべての罪をかぶる。
20年後、刑事となっていた晃(大東駿介)は、父親の訃報をきっかけに故郷へと戻る。
繁華街の店で若者がどんちゃん騒ぎをしているとの通報で警察が駆けつけるが、
ほぼ無罪放免の様子を見て晃はおかしく思う。
暴力団が幅を利かせ、警察ともつるんでいる様子。そしてそこに春も絡んでいるように見える。
晃は春を訪ねてその辺りのことを聴き出そうするのだが……。
毎日が楽しくて仕方なかった少年時代に影を落とす殺人事件。
予告編を観てすぐに思い出したのは『追憶』(2017)です。
でも『追憶』は豪華キャストの割に腹立たしいほどの茶番でした。
それを思えばこっちは相当の見応えがあります。
村上淳は組長役よりも刑事役のほうが似合いそうで笑った。
そんな彼と渡り合う春役の高良健吾はこの役が最高に似合っています。
恋愛ものに出ているときの彼よりもこんな彼のほうが好きですね。
暴力団と警察幹部との間を渡り歩く春が思い描く絵がこれで、
この程度で許してもらえたのかと思うとそこはちょっと弱い。
20年前の事件のとき、決してガタイがいいとはいえない少年が死んだ大の男をひとりで運べたのかとか、
どんでん返しの真相では、河原まで運べるとは思えなくて頭をひねる。
でもこれが初監督作であるうえにオリジナル脚本なのですから、今後はさらに期待できそうです。