夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『えびボクサー』

2004年02月18日 | 映画(あ行)
『えびボクサー』(原題:Crust)
監督:マーク・ロック
出演:ケヴィン・マクナリー,ペリー・フィッツパトリック,
   ルイーズ・マーデンボロー,マドハヴ・シャルマ他

反則や、こんなタイトル。
絶対おバカやと思いつつ、絶対無視しては通れない。(T_T)
「えび」がひらがなであるところが妙に郷愁を誘うのでした。
嗚呼、おバカ。

イングランドでパブを経営するビルは43歳。
以前は将来を期待されたボクサーだったが、いまはアル中同然。

そんなビルのもとへ、友人の“何でも屋”アミッドが商売の話を持ちかける。
カリブ海に生息する巨大エビを捕らえて
人間とボクシングさせようと言うのだ。
体長2メートルを超えるそのエビは、攻撃してくる相手に対して
ハサミで強烈なパンチを喰らわせる習性があるという。

最初は「そんなアホなことを」と話にのらなかったビルだが、
毎日の怠惰な暮らしを変えるべく、エビに夢を託すことに。

息子のようにかわいがっているボクサー、スティーブと、
そのガールフレンドであるシャズとともに、
ビルはテレビ局をまわってスポンサーを探す。

前途多難と思われるなか、3人とエビのホテル住まいが始まる。
世話をするうちに、ビルは次第にエビに愛情を覚えるようになる。
やがてこの企画があるプロデューサーの目に止まり……。

アホでしょ。
Mr.Cと名前のついているこのエビはグロテスクなこと、このうえなし。
しかし、なぜか見入ってしまうのですよ。
音楽はと言えば、水中ドキュメンタリーなどでよくかかるような
コポコポコポっという泡(あぶく)みたいな音だったりして、
これもまた笑える。

ビルがエビの殻に保湿クリームを塗って手入れしてやったり、
水を恋しがるMr.Cを風呂に入れてやったり。
仕事にあぶれた男がエビと思いを共にし、
情けない姿をさらしてがんばる様子は
『フル・モンティ』(1997)などのイギリス映画と共通。

憎めないよなぁ、こういう映画は。
ちなみに、ジャケットのキャッチコピーは
「史上初!エビのスポ根、サクセス・ストーリー!」。
「史上初」ってそら当たり前やろ。
ほかにこんなアホなことを考える奴、おらんっちゅうの。(--;

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