夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『太陽の坐る場所』

2014年10月15日 | 映画(た行)
『太陽の坐る場所』
監督:矢崎仁司
出演:水川あさみ,木村文乃,三浦貴大,森カンナ,鶴見辰吾,
   古泉葵,吉田まどか,大石悠馬,山谷花純他

前述の『悪童日記』とハシゴ、TOHOシネマズ梅田別館アネックスにて。

これは絶対ムリだと思ったんです。
ムリだと思ったんですけれど、自らはまりに行ってみました。結果は案の定。(^^;
エンドロールが回りはじめた瞬間、「マジかい!」と声に出してしまいましたがな。

いや~、なんでしょ、この笑ってしまうほど嫌な感じ。
そもそも辻村深月の作品はほとんどそうで、だから決して好きではありません。
たいてい自意識過剰っぽい女性が主人公で、「私って弱いの」みたいな。
だけど、この世界に弱い女なんていませんから。(^o^;
毎度イライラしながら読むのですが、最後に「えっ!?」と驚く種明かしがあったりして、
それで泣かされてしまうことも多数。ゆえにほぼ全作品読んでいるのです。

本作の原作はずいぶん前に読んでいて、内容をほとんど覚えていません。
辻村作品の中では好きではなく、泣かされることも皆無だった印象。
内容を思い出しがてら、はまりに行ってみたわけです。

山梨の高校で誰からもちやほやされる女王的存在だった高間響子(古泉葵)。
ある日、彼女のクラスにやってきた転校生の鈴原今日子(吉田まどか)。
まだ誰も友だちのいない様子の今日子に響子から声をかけ、ふたりはたちまち仲良くなる。
しかし、ある出来事がきっかけで、ふたりの境遇が変化する。

高校卒業から10年。
地元のTV局でアナウンサーとしてくすぶっている響子(水川あさみ)に
同級生だった島津謙太(三浦貴大)から連絡が入る。
謙太は実にまめな幹事で、頻繁に同窓会を企画しているが、
このところ参加者が少なく、有名人の出席をエサに参加率を上げたいらしい。

謙太が響子以外に出席を切望しているのは今日子(木村文乃)。
今日子はキョウコという芸名で、全国区の女優として大活躍中。
彼女が参加してくれるなら、きっと同級生はみんな来たがるはず。

結局、同窓会に今日子は現れず、響子のみ出席。
会場に足を踏み入れると、冷ややかな視線。
かつて響子の取り巻きのひとりだった水上由希(森カンナ)とうわべだけの挨拶を交わし、
来なければよかったなどと思うのだが……。

高校当時の響子は、自分が注目されなければ気が済まず、
学年一の人気者の男子生徒は当然自分のもの。
取り巻きとして置いておきたい女子生徒は積極的に取り込みますが、
そうでない生徒は徹底的に排除。ホントに嫌な子。

まわりの生徒にもろくな奴がおらん。
ちょっと笑ったのは、もしかしたら最悪の根性の持ち主かもしれない由希が、
謙太に「だてに性格悪いわけじゃないのよ」と言うところ。
自覚ありならまぁええか。

唯一気のいい奴に思えた謙太もなんだか頼りないし、
だいたい由希のことが好きだという時点で見る目ないでしょ。
しかもスカートを盗んでるし。あ、ネタばれ、すみません。
会社で謙太の問いかけに答えるOLさん、こいつがいちばん嫌な奴だったかも。

と、とにかく最初から最後までヤな感じでいいとこなし。
原作はもうちょいひねりがあったと思うのですが、それも気のせいだったか。
で、何が言いたかったのよと考えると、
ヤな奴だったと自覚した奴は、ひなたに出ることなく過ごすべきということか。
原作者本人のモデルが今日子で、響子的存在が近くにいたのではと邪推。

まちがいなく、今年ワースト3に入ります。
この「ヤな感じ」はもしかしたら『抱きしめたい 真実の物語』にも勝る!?

しかし、この人のこういうところ、嫌いだなぁなどと思うとき、
それが自分の嫌な面を見せられているようで嫌いだと気づくときもあるので、
だから嫌なのかなぁ。(--;

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