『極限境界線 救出までの18日間』(英題:The Point Men)
監督:イム・スルレ
出演:ファン・ジョンミン,ヒョンビン,カン・ギヨン,パク・ヒョンス,アン・チャンファン他
初戦を観に行ったクライマックスシリーズ。
その後、まさかの阪神はひとつも負けずに決着し、所持していた第4戦のチケットがふいになりました。
嬉しい誤算ではありますが、ひとつぐらい勝っとかんかい広島、と思う。
用事がなくなった土曜日、これ1本だけTOHOシネマズ梅田にて。
宗教が絡んでいるだけに、統一教会が問題になっている今は宣伝しにくかったのかと邪推。
2007年にアフガニスタンで人道支援活動をおこなっていたプロテスタント系キリスト教の信者23名が、
カンダハルに向かうバスに乗っていたところ、タリバンに拉致された事件があったそうです。
それが本作の基になっているとのこと。
監督は『リトル・フォレスト 春夏秋冬』(2018)のイム・スルレだから、期待大。
2007年、アフガニスタンで23名の韓国人がタリバンに拉致される事件が発生する。
犯人グループの要求は、アフガニスタンからの韓国軍撤退と、収監中のタリバン戦士の釈放。
韓国政府は外交官のチョン・ジェホを現地に派遣。
ジェホはアフガニスタン外務省との交渉に臨むが、囚人の釈放を拒否されてしまう。
そんな韓国政府のやり方に横槍を入れてきたのが国家情報院。
長く現地で活動する工作員パク・デシクが別の方法で解決を試みようとする。
最初はいがみ合うふたりだったが、人質の命を第一に考えている点は同じ。
その場に居もしないくせに文句ばかり言ってくる上層部にジェホは苛立ちを感じながら、
デシクと協力してなんとか人質解放にこぎつけようとするのだが……。
エリート外交官ジェホを演じるのはファン・ジョンミン、
怪しい風貌の工作員デシクを演じるのがヒョンビン。
デシクに弱みを握られていて、嫌々ながらも通訳役を引き受けざるをえないカシム役にカン・ギヨン。
パシュトゥーン語を話せる韓国人は彼しかいないという設定で、結構笑わせてくれます。
宗教団体の名前がはっきりと口に出されることはありませんが、エホバの証人らしい。
軽々しく足を踏み入れてはあかんような場所へ宣教のために入る姿は失礼ながら能天気としか言いようがない。
タリバンに拉致された韓国人がエホバの証人の信者だということは国民に言えない。
しかしマスコミはどこかでその事実を知り、やっと解放というときにニュースで流してしまいます。
アフガニスタンでは家柄が重んじられ、ロイヤルファミリーにはタリバンも逆らえないのだそうな。
そんなロイヤルファミリーの家長をおさえることに成功したというのに、
人質が人道支援のボランティア団体だと聞かされていた家長は、宗教団体の宣教活動だったと知って激怒。
もうどうにもならん状況になります。
こういう国なのねと今更ながら驚く。
身代金を横取りしようとする詐欺が横行していることにも驚く。
だけど何が見所って、主役のふたりに決まっています。
髭を生やしても格好いいヒョンビンなのでした。