マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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野鍬鍛冶師

2007年01月09日 07時41分47秒 | 民俗あれこれ(職人編)
弥生時代はより安定した生活を営むため水稲耕作が広まった。

農耕具が木製から鉄器文化に移ったことが普及の一因で、それは小国家のクニの始まりであった。

稲作鉄道具は荒地を開拓するのに適し、より広大な土地を耕すことで文化水準が一挙に高まった。

その鉄農耕具に携わる生業、戦後までは村の花形の鍛冶屋さん。

急速な農機具の普及によって殆どその姿を見ることができません。

仕事場の火床(ほど)には所狭しに多種多彩の鍛冶屋道具が並んでいる。

火を起こすフイゴやベルトが回転する槌打ち機械が動き、松炭でまったりと焼けた鋼を取り付けた野クワの先を叩きつけるハンマーの音。

親爺さんから二代目を継いだ室生染田の鍛冶屋さんは今でも現役で、クワ・ナタ・カマなどを修理する野鍛冶仕事。

焼けた鋼や炭の色で目利きするその姿は巧みの技師。

四方に飛び散った火花は清廉で、真っ直ぐな線を描く鉄一筋の文化が生きています。

(H18.11.8 Kiss Digtal N撮影)

シシトリ機

2007年01月08日 07時50分04秒 | 民俗あれこれ(職人編)
染田で鉄工所を営む鍛冶屋さんへは野鍛冶以外の仕事が数多く注文が舞い込んでくるとおっしゃる。

室生の山間部では里に猪が現れることが多くなってきて、畑を荒らす猪に苦慮しておられます。

今回の注文は猟師さんからの依頼でシシトリ機の製作。

大きなシシトリ機は二頭も入るもので、エサを食べにオリに入った猪の頭がヒモを押すと上がっていた扉が閉まる仕掛け。

設計図もなく試行錯誤で作られ、仕掛けもラッチに工夫を凝らしたシシトリ機はそろそろ完成近い。

(H18.11.8 Kiss Digtal N撮影)