マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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下山八坂神社祭礼

2006年09月19日 09時10分08秒 | 奈良市へ
やまちゃん先生の紹介で下山八坂神社の祭礼内容について聞き取りに行ってきました。

今日は、9月1日の帯解下山町八坂神社の八朔祭事。

八朔は稲穂の実りを頼む旧暦8月のついたち(朔)日。

頼むから「田の実」へと語源が中元時期における感謝をあらわす贈り物「頼み」なったとか。

近年、八朔祭事が廃れるいっぽうです。

同様にこちらも神事はなくなっていましたが、住民らの夏祭りとして継承されています。

夕刻、子供らは金魚すくい。

大人らはカラオケ大会に興じられます。

やまちゃん先生、役員さんらはその準備に大忙しです。

その間、私は六人衆長老の一老さんや自治会長さんから秋の祭礼についてお聞きしてきました。

10月第二日曜に行われる当家祭。

子供御輿なども披露され午後2時からは五色御幣を先頭に当人児のお渡り。

その際には一老さんが「トーニン、トーニン、ワッハッハイ」と叫び、一同がこれを繰り返します。

この所作は大和郡山の小泉神社の祭礼とほとんど同じ形態で興味があります。

夕刻に拝殿で神事が執り行われます。

その前日は朝から御供餅搗き。

午後からは五色御幣作り。

夕刻は拝殿で出仕して宵宮祭。

この当家祭は満11歳になった小学4年生の子供が宮座入りとする元服式であります。

当人児は赤と白のタスキを垂らした烏帽子の冠を被ります。

御供を担ぐのは「ゴクカタギ」と称される稚児女。

生娘を地区の人々にお披露目する意味合いがあります。

当家は前前日の早朝に森本川へ出向き川で禊ぎを行います。

小石を数個拾って当家宅のお仮屋へ供えるもので、この小石は八坂さんの神さんといわれています。

当家祭儀式で当人児がお酒を振舞う所作は、通過儀礼と思われるもので、数少なくなった元服儀式といわれています。

なお、毎年10月9日は同神社の祭礼である公式祭が営まれます。

この祭事が同神社の本来の例祭になります。

無言でお渡りされる公式祭は当家祭のお渡りと大きく異なります。

早朝に六人衆らが集まり、御供餅を分けます。

当家さんも撮影許可をいただき、8日の祭礼は是非とも訪問する予定です。

できればその前後の祭事も行きたいが休みが取得できるかどうか。。。

(H18.9.1 V603SH撮影)