マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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鍛冶屋フイゴの祭り

2007年01月07日 15時00分48秒 | 宇陀市(旧室生村)へ
奈良県では戦後間もない頃、野鍛冶を営んでいた鍛冶屋さんは50軒もあったが今はたった3軒。

その鍛冶屋さんの信仰祭であるフイゴ祭は新暦の11月8日(旧暦12月8日)に行われています。

一日ゆっくりフイゴを休ませて、フイゴとともに一年の労をねぎらい鍛冶仕事に感謝する日です。

田畑を耕す鍬や鎌は農業を営むものにとって大切な道具。

鍛冶屋さんはそれを作り出したり打ち直して機能を長持ちさせる職業で、農家とは密接な関係にあります。

鍛冶屋さんにとってなくてはならない道具がフイゴで、火を起こし、風を送ります。

室生の染田で鉄工所を営む鍛冶屋さんはフイゴの前の土間に神棚を用意して、里、山、海の幸の神饌を供えます。

フイゴを神のように見立てて「一年間、鍛冶仕事で家族を食べさせてもらった。次の一年も商売繁盛できますように」と手を合わせ感謝の気持ちを込めて祈ります。

洗米、塩、お神酒を仕事場の四方に撒いて、神式に則り2礼、2拍手、1礼で拝みます。

(H18.11.8 Kiss Digtal N撮影)