マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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箸中のノグチサン

2007年08月22日 08時49分59秒 | 桜井市へ
桜井市箸中では土用丑の日にノガミ祭事が行われる。

当地のノガミ祭事は野口さん(ノグチサン)と呼ばれる儀式で15歳(昔しは数えで17歳)になった男子を村入り行事。

五穀豊穣、害虫退散を祈るもので本来は半夏至の十日目の植付野休めの時期。

現在は土用丑の日に近い日曜日辺りに行われている。

子どもが法螺貝を鳴らし小麦一升を各戸から集めて四斗俵に詰めて力試しをしていたが今は廃れている。

この小麦を製粉業者に売ってその代金を白米に換えたのは昔しの話で、現在はJAから小麦を購入している。

以前は当家宅に集まりツノメシやサシサバ(昔しはトビウオ)などの神饌を作っていたが効率化のため国津神社の会所に集まるようになっている。

このツノメシを食べれば夏の疫病かからないといわれている。

当家らは会所に集まると男親は小麦藁を編んで害虫に設えたムカデを作っていく。

両側に飛び出した脚が48本になれば完成で、これを竹を芯にして円く固定して出来上がる。

そして葉付き青竹に取り付ける。

一方、会所では母親が御膳のお供えを用意する。

ツノメシやサシサバにお神酒、塩、米を並べる。

かたや子どもらは半紙に牛やカラスキなどの農具の絵を描く。

それらが揃うと同神社の前に置いて一同拝礼。

もともとはなかった所作だが会所を使うことからこの形式になったという。

(H19. 7.29 Kiss Digtal N撮影)