マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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切幡極樂寺オコナイ

2010年02月09日 07時43分11秒 | 山添村へ
カギヒキは撮影した平成21年の1月に掛けられたもの。

山の神参りが行われる前に撤去される。

夜明け前から山の神参りでカギヒキをされた山添村の切幡。

それを済ませたらお供えを家に持って帰って七草粥を作って食べる。

昼過ぎは極楽寺に集まってオコナイの行事。

7日はなにかと村行事が忙しい。

かつては「ダンジョウ」と叫んで、子供たちがウルシ棒を叩いていた。

お寺の廊下を叩いて、穴が開くぐらい。

それほど勢いが凄かったそうだ。

子供が少なくなってからは、お堂に板を敷いてそこを叩いていた。

そして、子供もいなくなってダンジョウもなくなった。

シキビを供えた本尊の地蔵はご開帳。



オコナイに集まってきた村人は一軒に二個ずつのモチを持ってきて祭壇に供える。

祭壇は上出と下出地区の二つに分かれている。

地区の人はそれぞれの祭壇に収めて線香をくゆらす。

オコナイは仏事行事の正月修正会。

オコナイの世話方は神明神社の宮守神主の二人。

ねんにょ(念如)と呼ばれる都祁白石の興善寺の檀家役員は動かない。

極楽寺は無住寺で神主が世話する珍しい神仏混合の村行事だ。

神主の挨拶で始まったオコナイはお札を配ることから始まる。

上出は「極楽寺 牛玉宝印」と墨書された書に朱肉でゴオーサンと呼ばれる宝印が押されている。



かっては下出にお寺があった印であろう、中央に「常住院」、左右に「牛の玉」と「宝印」が墨書し宝印が押されている。

これらは二人の神主が予めこしらえたもの。

挨拶を終えるとそれぞれの地区の人に配られる。

お経を詠みあげることはなくしばらくは歓談の場。

おもむろに立ち上がった二人の神主はゴオーサンを手に持って一人一人に朱肉を付けて宝印を押す。



額が主だが痛いところにも効くのだと手や足にも押していく。

かつては叩いたウルシ棒にお札を取り付けて苗代に供えていた。

苗はJAで購入するようになってからはお供えもしなくなったお札は豊作を祈祷した田の神さんだった。

用意したおモチも同時に配られる。



お開きは各家が持ち寄ったお下がりモチも配られて家路に着く。

43軒の切幡の村行事はこれからも守っていきたいと仰った。

(H21.12.30 Kiss Digtal N撮影)
(H22. 1. 7 Kiss Digtal N撮影)