マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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切幡の弓始め

2010年02月13日 09時21分01秒 | 山添村へ
村の安全や五穀豊穣を祈って年初に弓始めを行っている山添村の切幡。

弓始めが行われるのは上出と下出のそれぞれの当番家の庭。

村神主とミナライの二人はそれぞれの地区の当番家に集まってくる。

下出では神主が鬼的と弓矢を作る。

鬼的はアマコダケ(ススンボ竹)で組む。

本数は決まっていない。

弓は柔らかいシンブリの木(正式な樹木名は不明)で、弦はフジツルであった。

弦は近年に紐に代わった。

鬼は神主が絵を描いた書だったが、これも簡略化されて鬼絵のコピーになった。

そろそろ始めようかと言って庭に出た。

弓矢を構えて東西南北、天、地を射る。

屋根まで飛ばして安全を祈願された神主。

最後は決め手の鬼的打ち。

矢が突き刺さり見事に鬼を退治した。



下出の弓始めは下宮座の弓始めともいう。

神事を終えたら当番家でごっつおをよばれる。

以前はすき焼きにオードブル。カズノコ、クロマメなどの正月三品も出していた。

これも近年に簡略化されて寿司とパックの膳になった。

ミナライは料理膳だけのミナライになったと話されて地域の話題などで数時間のもてなし接待が続いた。

上出のほうでは鬼絵を当番家が描いている。



愛嬌がある鬼顔に矢が突き刺さった穴が開いていた。

鬼絵に敷いているのは「サンダワラ」。

弓矢はいずれも細い竹で作られている。

(H22. 1.11 Kiss Digtal N撮影)