ストローバレイ家の介護奮闘記

90→→92歳の母を支える4姉妹の泣き笑い奮闘記・・とその後

映画「ブリューゲルの動く絵」

2012-01-27 10:50:38 | 日常
               
          ブリューゲル《十字架を担うキリスト》1564年

昨日は渋谷ユーロスペースで上映中の「ブリューゲルの動く絵」を見てきました。先日のフランス語クラスで先生が「すごく良かった。時間があったら是非見に行って」と言っていたので、その気になったのです。

この映画は、ピーテル・ブリューゲルの壮大な絵画《十字架を担うキリスト》に描かれたストーリーを、映画という作品に再現したもので、色調も雰囲気も絵画そのままです。一枚の絵画に描かれた、16世紀以前のヨーロッパにおける農民の素朴な暮らし振りと、宗教の持つ暴力性が、タイトル通り動く絵となって、スクリーン上に描き出される様は、説得力があり圧巻です。

光と影、青緑と茶の自然の中に在る人々の赤・白・黒の配分の美しさは絵のままで、芸術として十分楽しめます。けれど、オリジナルの絵が描き出した悲劇が、動く絵となって語られると、正直私には少し耐え難いものがありました。人間には本当に残虐な一面があるんですね。残虐とそれを悲しむ人々の心・・・今も続く永遠の葛藤なのかもしれません。

ユーロスペースでの上映は2月3日までです。(三女)
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