
かなり前に円空仏をテレビで見て以来、一見単純に見えるようで心のこもった彫りあとや素朴な姿にひかれ、テレビで円空仏の話があると必ず見ていました。そして、今年国立博物館で円空仏の展示会があると知りすぐに見に行き、本物に出逢い、その何とも言えない魅力に引かれました。
展示会でない、普通にさりげなく寺社に置かれ、普通に人々に愛されている円空仏に会いに行きたいと思っていたところ、円空さんの足跡をたどるツアーがあったので、すぐ申し込み、今日(11/1)・明日(11/2)と円空仏に会いに岐阜に来ています。
今日はまず名古屋駅から小型バスで約1時間、山間の静かな里・郡上市美並にある「美並ふるさと館」で、館長さんの素朴な美濃弁(?)での説明を聞きながら、まだ得度する前のノミで細かく彫った仏様、お世話になった人々にお礼として彫った小さな仏様などを見ました。残念な事に全てガラスの向こうでしたが、「庚申」と言う像は木目を生かした慈愛に満ちた優しい眼差しの何とも魅力のある像でした。
そこから又バスで1時間、下呂市にある「祖師野薬師堂」「神宮神社」「祖師野八幡宮」を、八幡宮の宮司さんの説明を聞きながらお参りしました。
薬師堂ではお堂の扉を開けて薬師如来像、月光菩薩、日光菩薩などお堂に上がり間近に見る事が出来たばかりか、写真撮影までさせてもらえました。
そこから10分位歩き、木々に囲まれた小高い林の中にひっそりある神宮神社へ。ここでも奥の収蔵庫から2体の像を私達の目の前まで出して安置し、これも撮影可。そこからバスで5分もかからないで八幡宮へ。ここは社殿に上がり宮司さんの話を聞いてから2体の円空仏を間近に見、又撮影させてもらいました。写真はこの八幡宮の物です。
ただひたすら円空仏を訪ねる旅のお仲間は、円空仏に惹かれた中高年の男女20名。夫婦は3組、あとは共通の円空好きの友人、そして1人での参加者も数人いました。
円空仏は整然と並べられガラス越しに見るのでなく、今日のように日常的に人々に愛されて奉られているのが自然でふさわしいと言うのが皆の一致した意見で、それを間近に見る事が出来しかも撮影させてもらえた私達は幸せでした。
今日の宿は下呂温泉のホテルとは名前だけで、中は8畳の和室とちょっとした板の間に小さな洗面所、トイレがあると言う昔の旅館です。でも かけ流しの温泉だし、夕飯も鮎の塩焼きはじめ美味しかったし、地酒も美味しかったし満足です。
明日は飛騨の千光寺 国分寺に行きます。どんな円空仏に会えるか楽しみです。(次女)
