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ホアン・ホセ・モサリーニのバンドネオンのソロアルバムから、彼の参加したアルバムを思い出しまた。今度のアルバムはソロなので、とても良かったものの、一つ刺激が欠けました。
アメリカの映画音楽などを作曲するEVAN LURIEという人が、バンドネオンを招いてTANGOにアレンジした自作曲にしたものを買いましたが、いまいち面白くありません。
その中もう一枚拾ったのがまさにブエノスアイレスの世界。
来日演奏もあるダニエル・バレンボイムという世界的な指揮者はピアノも演奏し、9歳まで生まれ育ったブエノスアイレスでのアルゼンチンタンゴが心に染み付いていて、そのブエノスアイレスへの思いをピアノで演奏したアルバムです。
ピアソラの楽団でもBASSを弾いていたエクトル・コンソーレとバンドネオンのロドルフォ・メデーロスのトリオでの演奏は懐かしのブエノスアイレスへの思いがしっとりと伝わってきます。
ピアソラの曲が7曲、バレンボイムのアイドルだった国民的歌手カルロス・ガルディの曲が2曲、オラシオ・サルガンの曲が3曲。タンゴでない楽曲他が3曲の計14曲、有名曲もありますが、ほとんど知りません。
1曲目ガルディの曲は、バレンボイドのピアノは時間を越えたブエノスアイレスの街を望むようにやさしく始まります。曲名も「わが懐かしのブエノスアイレス」
3曲目ちょっと小粋な「粋な娘」はアルゼンチンのクラシックの曲。
4曲目はピアニスト、指揮者のサルガンの哀愁とユーモアが入り混じった演奏です。
8曲目10曲目、これはいかにもタンゴ、それはピアソラの有名曲「ブエノスアイレスの冬と春」なので耳になじんでいるのでしょうか。
哀愁と情熱が渦を巻きます。2曲目と12曲目が夏と秋なのですべてのメロディーが聞けます。
なぜ時々TANGOを聴きたくなるのでしょうか。
普段の音楽とは資質の世界、遥かかなた、男女が激しく体をぶつけ合って自分を表現するアルゼンチンタンゴが街の表と裏で同時に動いているような怪しさを垣間見たくなるのでしょうか。
哀愁と情熱が交差したアルバムを聴くと、またしばらく熱が収まるのでした。
このアルバム、異色の組み合わせかも知れませんが、ブエノスアイレスへの想い、タンゴの本質を捉えた素晴らしいアルバムだと思います。
実はこんな記事を書きながら、欲求はさまよってこの後もいくつかのアルバムを拾ってしまいました。
まったく色香に迷うのです。
MI BUENOS AIRES QUERIDO / Daniel Barenboim
Daniel Barenboim piano
Rodolfo Bederos vandoneon
Hector Console bass
1. わが懐かしのブエノスアイレス
2. ブエノスアイレスの夏
3. 粋な娘
4. ドン・アグスティン・バルディ
5. ジプシーのタンゴ
6. ブエノスアイレスの冬
7. アケージョス・タンゴス・カンペーロス
8. アディオス・ノニーノ
9. 想いのとどく日
10. ブエノスアイレスの春
11. ア・フエゴ・レント
12. ブエノスアイレスの秋
13. コントラバヘアンド
14. バイレシート