どこかで見たらとても良さそうなことが書いてあって、あと一枚何かと思ったので買ってみました。
サンクトペテルブルクを拠点にして活躍しているというピアニスト、ニコライ・シゾフ
という人のトリオ演奏です。
1曲目の曲がいい。哀愁あってファンキーで、ヴィクター・ヤングのこの曲を誰の演奏で聞いたのだろう、頭の片隅に残っていたのを引っ張り出されて懐かしんでいるのです。
タッチも美しいし、アドリブフレーズも変化があります。ドラムスとベースがしっかりリズムを作るのもプラスです。
2曲目、軽いタッチの小品をとてもうまく弾きます。
3曲目、ハンコックのこの曲をこうやって弾くのは、若い人ではあまりいないと思うのだけれど、この弾き方で途中あきさせないのは、大したものです。
5曲目、このスタイルが珍しいのか、私があまり聞かないのかわかりませんが、エディ・ヒギンズとか澤野工房なんかにありそうな、この曲のウォーキング・バースが心地よい。
私、洒落たお酒などはほとんど頂きませんが、ふっと思い浮かべたのがこのカクテル。
逆三角形の定番カクテル・グラスに淡い色のお酒、これをピアノ・ブラックの上に置いて聞きたい。
そしてカクテルの名前は“ギムレット”寒いロシアの温かい部屋、キンと冷えたグラスがあったらと思います。
6曲目はモーダル色の強くなったオリジナル、曲調として変化があってこちらも可能、リズム隊もたのしい。
7曲目、スタンダードはとてもシンプルに、ちょっと時代がかってきこえますが、モーダルプレーもできながらこの演奏は逆に今新鮮に聞こえます。
ゆったり聞くことも出来るし、その中には切れ味のあるフレーズモあって面白い、置いたムレットを眺めながら聞き出して気がつけば、もうひとつ横にグラスをお願いする、そちらは眺めながらいただくような、感覚に余裕をもたして楽しみたいアルバムです。
Piano Trio from Russia-vol 1 / Nikolay Sizov
Nikolay Sizov (piano)
Philipp Meshcheryakov (bass)
Gary Bagdasarian (drums)
Recorded in May, 20-21, 2010 at St. Petersburg, Russia
01. Delilah (Victor Youg)
02. Sometime Ago (Sergio Mihanovitch)
03. Maiden Yoyage (Herbie Hancock)
04. Steps in the Sand (Nikolay Sizov)
05. Out of Nowhere (Jon W. Green / Reginald Connelly)
06. Fact (Nikolay Sizov)
07. If I Had You (James Campbell / Reginald Connelly)
08. Closed Door (Nikolay Sizov)
09. Falling in Love with Love (Richard Rodgers / Lorenz hart)