
1998年度アメリカMWA賞処女長編賞にノミネートされた現役法廷弁護士による処女作だそうで、ちょうど読む本がきれたので、図書館で見つけて借りてみました。
処女作として気合いが入っているのか、ちょっと密度が高い文章で慣れるのにくろうします。こんな感じです。
これはダイアナの考えているような、単なる過ちではなかった。過ちは、数字の計算をまちがえたり、フライを落とすようなものだ。これは道徳的な過誤、すなわち死よりもはるかに恐ろしい崩壊感をともなった、人間としての破滅を意味するものだ。
薬物の使用癖を持つパイロットの復職に便宜した弟の弁護士が、その兄の墜落事故により無思慮の殺人として終身刑を求刑さ、恋人の弁護士と法廷闘争する話で、法廷部分は迫力があってとてもたのしめた。
終わり方はいまいちかもしれないけれどこんなのもあるから好きです。
ダイアナは彼女
「ダイアナがなにか、あんたを怒らせるようなことでもっしたのか?あんたにお世辞をいわず、あんたの尻にキスしなかったのか?」
「そんな必要はない。きみの尻にキスしているんだから」
そしてもう一つイザベルは戦う相手の検事
イザベルは、自分がまちがっているとわかっているときも、心から信じているように話す能力をもっていた―これは、彼女が優れた弁護士、巧みな嘘つき、あるいはその両方であることをあらわすものだ。