
1曲目、インプロとは思えない整然としたピアノのフレージングで始まるので、これはと思う。ライヴでのチェカレリとの共演となると、要所要所で二人は共演しているのでこれもその一つになるようは予感がします。録音はドイツ。
2曲目優雅さを湛えていながらキリッとした風格のあるヨーロッパ・メロディ。エンリコらしい、今年の8月のろくおんだから、今のエンリコがこのように弾いてくれるのがうれしい。
3曲目は軽快さを加えたメロディアスな曲、ベースのヤスパーさんは初めてだけれど達者なソロ。
4曲目が再びイントロ、ピアノがテーマを拾い上げ行くのだろうけれど、ピアノも達人だけれど、リズムも達人だから実に整然と構築されます。
5曲目、エンリコらしいヨーロッパの美意識を湛えたゆったりとしたバラッド。
6曲目リズミックにアップテンポにするけれど、落ち着いた以後となインタープレー。
7曲目はインプロ、ここでは熱くインタープレーの醍醐味を見せてくれます。
その後の8曲目がアンコールのように雰囲気かえた、落ち着いた曲。
9曲目はインプロで、ピアノがワイドにガッと始めて、ドラムス、ベースも良く反応している。こんな始まりのインプロは15分ぐらい続けられるけれど、エンリコはそれを2分一寸で切り上げる、ここら辺がそこらのピアニストとちがう。
すぐにつづけてノリノリのエンディング、タイトルが“The Surprise Answer”でチェカレリがここで見せ場をつくるという上手い終わり方。
エンリコこのところいろんなところから自由にアルバムを出すように方向転換して、それも彼の幅広い音楽の思考が自由に展開されていて、こちらも網羅できないぐらいになっています。
66才、聴き終われば凄いと思うし、「自由な老人になる」って題で一つ文が書けそうな気がします。
TALES FROM THE UNEXPECTED / ENRICO PIERANUNZI
Enrico Pieranunzi(p)
Jasper Somsen(b)
André Ceccarelli(ds)
Recorded live at Theater Gütersloh 29. 08. 2015
1. Improtale 1
2. The Waver
3. Anne Bloomster Sang
4. Improtale 2
5. B.Y.O.H.
6. Tales From The Unexpected
7. Improtale 3
8. Fellini's Waltz
9. Improtale 4
10. The Surprise Answer
11. Interview with Enrico Pieranunzi by Götz Bühler