チェロのお稽古まで一寸時間があったから寄ったショップにアルバート・アイラーのCDがあった。アイラーのCD音源ってめずらしい。一寸試聴すれば買うしかない、この前買ったのは2年前だった。
どこで聴くか聞く場所も考えなければいけないアイラーで昔を思い出した。アイラーで持っているアルバムは「Love Cry」「New Grass」「Last Recordinds」でもっと古いアイラーは聴かなかったかと言うとそうではない。
家ではなかなか聞きづらいので(精神を疑われてしまう)「Spiritual Unity」なんかを渋谷のジャズ喫茶ブラックホークで唸って聞いていた。私の知っているブラックホークはあくまでジャズ喫茶だった。ちなみにオスカーでこれをたのんだら1曲で切られてしまったことがある。
で今度のアルバムはそのころの録音、ヨーロッパツアー中のスタジオ録音で持っていなかった。
1-6はヒルヴェルスム・セッションとして発売されているものだろうけど9/10のコペンハーゲンDanish Radioの録音はどこかで出ていたのだろうか。どちらにしても持っていないからまっいいか。
アイラーのエネルギーや崇高な祈りのようなものは、頭で考えて心にとめようとした渋谷のあのころより、ずっと年を取ったいまの方が素直に良いと思う。
そんなんで試聴したら即買いなのだけど、でもさてどこで聞こう。
結局自分の部屋でヘッドホンを受けて聞いている。1曲1曲解説は必要ないと思うけれど、どうして昔のアヴァンギャルトを今聞くと、すごくきちんと演奏しているように感じるのだろう。
ドン・チェリーのコルネットのフレーズなんて至極まともです。
ニューオリンズの伝統にみんなのっていてそれをベースにしているからなのでしょうね。
ゲイリー・ピーコックのベースが一番つっとんがって聞こえます。
アイラーの音はまだ初期、テナーの決定的な自分色までには至っていないけど、方向は決まっていてそこが面白い。
そして7曲目からの9/10の録音が素晴らしい。録音のレベルはそれまでと変わらないけれど、緊張感がずっと高まっています。
そして今このこのように吹く需要はほとんどないのでこの演奏とてもいいと感じます
アイラーが自死だったことを実は今回しったわけで、ラスト・レコーディングと2日前のライヴ・オン・ザ・リバーの雰囲気の差で揺れる心が解ったような気がした。
European Radio Studio Recordings 1964 / Albert Ayler
Tenor Saxophone – Albert Ayler
Cornet – Don Cherry
Double Bass – Gary Peacock
Drums – Sunny Murray
1 Angels
2 C.A.C.
3 Ghosts
4 Infant Happiness
5 Spirits
6 No Name
7 Vibrations
8 Saints
9 Spirits