山崎豊子氏の遺作が文庫で出ていたので買ってみた。
どうやら未完の様ではあるが、「華麗なる一族」以後「不毛地帯」「二つの祖国」「沈まぬ太陽」と読み継いでいるのでこれはお世話になったお別れだから読んでみた。
自衛隊の潜水艦と釣り船の衝突で30名の方が亡くなった話を縦糸に、主人公の苦悩と恋が自衛隊の存在と言う問題点を考えながら進む予定だったのだろうが、残念ながら主人公が苦悩を抱えた段階で1部が終了している。
長編をずっと楽しんできたので、これはこれで残念だけれど、あえて巻末のその後というところは読まないで問題を抱えて行こうとそれが作者に対してのお礼みたいに感じます。