櫃本瑠音、パリ地方音楽院の首席だそうでデヴュー作、キャッチに指揮者の佐渡裕氏が「音が赤い!」と書いている。音が赤いってどんな音なのか聞きたくなって買ってみた。
ピアソラの”ル・グラン・タンゴ”から始めるあたりは若さを感じる。1993年生まれだから30歳。10歳よりチェロを始めたそうだから20年、私だってその3分の1しているけれどその差は歴然。
でその音色が赤いかということだけど、確かにピアソラのこれをガガと弾いて音色には特色を感じる。
赤いと言いば赤いか。そうか音に色を持つことは素晴らしいこと、と所詮無理なはなしだけれど。ことらどんよりとした濁った色だから。
2曲目ジョバンニ・ソリッマの”ラメタチオ”でこの間なまできいたけれど、これも若者受けの作品か。こちらは感性が合っているのかなかなか表現が面白い。
3曲目、黛敏郎の””BUNRAKU”は赤い音色には合っておらず、深みができない。これが新人のやりすぎどころみたいな感じ。
続くマーク・サマーの”ジュリ・オー”は軽い感じで合っている。最後の”ラ・ヴィ・アン・ローズ”はパリに住んでいたのだろう、リスぺクトが音ににじんでとてもいい。ということで気張らない演奏が良いのは新人だからしょうがない、これからも頑張って欲しい。
音に赤を感じたかというと、確かに1曲目では赤を感じました。
Le Gtand Tango / 櫃本瑠音
チェロ:櫃本瑠音 Rune Hitsumoto, cello
ピアノ:五十嵐薫子* Kaoruko Igarashi, piano
録音:2022年11月14日・15日 高崎芸術劇場 音楽ホール
1.アストル・ピアソラ:ル・グラン・タンゴ *Astor Piazzolla: Le Grand Tango
2.ジョヴァンニ・ソッリマ:ラメンタチオ Giovanni Sollima: Lamentatio
3.黛敏郎:無伴奏チェロのための「BUNRAKU」 Toshiro Mayuzumi: "BUNRAKU" for Solo Cello
4.マーク・サマー:ジュリー・オー Mark Summer: Julie-O
5.マルセル・ルイギ(編曲:林そよか):ラ・ヴィ・アン・ローズ * Marcel Louiguy(Arr.Soyoka Hayashi): La Vie en Rose