菊池雅章のG・ピーコックろ富樫雅彦の1994年録音アルバム「Great 3」が素晴らしかったので、そのあとに出るラスト・スタジオ録音作は絶対欲しいと思った。
ECMからのアルバム・デヴュ―作「Sunrise」が2009年で次のピアノ・ソロ「Black Orpheus」が2012年10月宇の録音だった。
たぶんECMで関係の出来たサン・チョンがプロデユースしたこの「HANAMICHI」はそのつながりで録音されたのだろうけれど録音は2013年12月、ECMではなく独自レーベルでの発売にならざる得なかったということで、これほどの時間の間が開いたのだろう。
2015年に菊池がなくなっているので、今となってはなくなった人の演奏として聞くこととなった。
ある意味、菊池のことを思い、その素晴らしい、和音なり、タイム感を感じいるアルバムとなった。
選曲されているのが、5曲目以外聞いたことがある曲の音つながりを、菊池が再構築することによって、菊池というピアニストの存在感を確認できる、ジャズファンにとっては素晴らしいリリースになっていると思う。
日本のファンにとっては、このアルバムのジャケに桜をあしらって、「Hanamichi」とタイトルしてくれたことで、(それもこの時期に)永く残る記念になったようでうれしい。
5曲中4曲が「Great 3」で演奏されている曲で、それをソロで再演してくれていることが、この2枚の繋がりと時間をかんじられ、そしてラストになったのだという感慨を深くして、心にしみる。
ぜひ、この二つを聞くと、菊池の真摯な音への思いが伝わってくると思う。
このタイトルとジャケ、そしてこれをリリースしてくれたことについて深く関係の方に感謝したい。
HANAMICHI / MASABUMI KIKUCHI
菊地 雅章 (p)
1. Ramona
2. Summertime
3. My Favorite Things I
4. My Favorite Things II
5. Improvisation
6. Little Abi
これは厳しいながらも,実に味わい深く,そして美しく,そして陶然とさせられるアルバムでした。おっしゃる通り,リリースしてくれたことに感謝したくなるアルバムでした。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2021/03/post-53974f.html
誰もがなくなることは定理です。何が残せたかということがその後の永い評価になるように思います。
プーサンのこれは、重たいものでなく、人柄が偲ばれる良い思い出というような感じです。