ジャケットもありまたいしたことないしと思いながらも、POPの表現が良いので拾ってみました。1984年モスクワ産まれのロシア人、若いのにこれが驚きです、ミステリアスを感じるほどです。まずは凄いですと前置きしておきます。
1曲目“Wayne's Footprints”というようにショーターのfootprintsのメロディをメインに使った若さのあふれた生き生きした演奏です。しっかりしたピアノソロラインのバックにはドラムスが正確な沢山の手数を見せてテンションが高く、1曲目とは思えません。
2曲目は“You Don't Know What Love Is”はこれが打って変わってソフトなタッチ、そして王道のようなアドリブライン、緩急自在のリズム変化と驚きを感じます。存在がミステリスにさえ感じます。
3曲目は“Intro ”というkeybordでのリズムパターンで4曲目につながります。
4曲目はそのジャズロック調のリズムに乗ってカルデラッオを彷彿させる音数、疾走、これほどの音数なのに演奏は全く重くなりません。
5曲目“Golden Sands”はまた静かなピアで、エチュードのように始まりますが、スパニッシュ調のピアノソロに変化していきます。聴いていると、こってオーバーダブしているんでしょ、と思うようになります。ひとりで弾くの不可能じゃないかと思うのですが、弾けるのかなとも思う、それならば馬鹿テクです。
6曲目はケニー・ジャレットの“Journey For Two”で憂いを含んだドラマラスな曲調、曲の変化もメリハリがしっかりして、飽きる事などありません。色彩感があるやさしさのある表現力も驚きです。
7曲目は“Russian Dance ”は再びジャズロック調のピアノ低音を聴かしたリズムですが、このピアニスト曲もかなり素晴らしい、とにかく早く世界舞台に登場すべき新人です。この曲では終盤ロシアのFolk Ensemble のコーラスが入りますが、その変化も新鮮です。
8曲目はショーターの“Fall”やわらかいタッチの方の演奏で変化があり、ピアノをきちんと鳴らす技量があります。この曲なかなか難しい、下手なピアノだったらまとまらないと思える演奏です。
9曲目は急にソプラノサックスがゲストに入って軽い流れの曲です。アルバム完成度からみて、特にサックスを入れる必要を感じませんが、あってもそれなりに納得できる楽しい演奏で、たぶんピアノだけだったら少し硬い印象ですから、そこが良いのでしょう。
今年初めて聴く人では一番驚いたアルバムです。ミステリアスにさえ感じます。べた褒めですが、新人の荒さがわずかにあります。それも必要なことのように思います。
fall / Evgeny Lebedev
Evgeny Lebedev piano,keyboard
Anton Chumachenko bass
Alexandr Zinger drums
【SPECIAL GUEST 】
Andrew Krasilnikof(ss #9)
Olga Krasnopevtseva
Taya Krasnopevtseva
Natalya Makarina
(Russian Folk Ensemble 'Veretence'#7)
1 Wayne's Footprints
2 You Don't Know What Love Is
3 Intro
4 24th Of May
5 Golden Sands
6 Journey For Two
7 Russian Dance
8 Fall
9 Above The Clouds
1曲目“Wayne's Footprints”というようにショーターのfootprintsのメロディをメインに使った若さのあふれた生き生きした演奏です。しっかりしたピアノソロラインのバックにはドラムスが正確な沢山の手数を見せてテンションが高く、1曲目とは思えません。
2曲目は“You Don't Know What Love Is”はこれが打って変わってソフトなタッチ、そして王道のようなアドリブライン、緩急自在のリズム変化と驚きを感じます。存在がミステリスにさえ感じます。
3曲目は“Intro ”というkeybordでのリズムパターンで4曲目につながります。
4曲目はそのジャズロック調のリズムに乗ってカルデラッオを彷彿させる音数、疾走、これほどの音数なのに演奏は全く重くなりません。
5曲目“Golden Sands”はまた静かなピアで、エチュードのように始まりますが、スパニッシュ調のピアノソロに変化していきます。聴いていると、こってオーバーダブしているんでしょ、と思うようになります。ひとりで弾くの不可能じゃないかと思うのですが、弾けるのかなとも思う、それならば馬鹿テクです。
6曲目はケニー・ジャレットの“Journey For Two”で憂いを含んだドラマラスな曲調、曲の変化もメリハリがしっかりして、飽きる事などありません。色彩感があるやさしさのある表現力も驚きです。
7曲目は“Russian Dance ”は再びジャズロック調のピアノ低音を聴かしたリズムですが、このピアニスト曲もかなり素晴らしい、とにかく早く世界舞台に登場すべき新人です。この曲では終盤ロシアのFolk Ensemble のコーラスが入りますが、その変化も新鮮です。
8曲目はショーターの“Fall”やわらかいタッチの方の演奏で変化があり、ピアノをきちんと鳴らす技量があります。この曲なかなか難しい、下手なピアノだったらまとまらないと思える演奏です。
9曲目は急にソプラノサックスがゲストに入って軽い流れの曲です。アルバム完成度からみて、特にサックスを入れる必要を感じませんが、あってもそれなりに納得できる楽しい演奏で、たぶんピアノだけだったら少し硬い印象ですから、そこが良いのでしょう。
今年初めて聴く人では一番驚いたアルバムです。ミステリアスにさえ感じます。べた褒めですが、新人の荒さがわずかにあります。それも必要なことのように思います。
fall / Evgeny Lebedev
Evgeny Lebedev piano,keyboard
Anton Chumachenko bass
Alexandr Zinger drums
【SPECIAL GUEST 】
Andrew Krasilnikof(ss #9)
Olga Krasnopevtseva
Taya Krasnopevtseva
Natalya Makarina
(Russian Folk Ensemble 'Veretence'#7)
1 Wayne's Footprints
2 You Don't Know What Love Is
3 Intro
4 24th Of May
5 Golden Sands
6 Journey For Two
7 Russian Dance
8 Fall
9 Above The Clouds
だいぶ前にVENTO AZUL さんのところから頂いていたのですが,
封を開けたのが今日。あまり期待していなかったのですが,
馬鹿テクぶりには吃驚仰天でした。同じロシア出身のエルダー・ジャンギロフより数倍好きになりました。近日中に記事を書こうと思うのですが,この凄さをどう表現していいものやら,,,。
書いたらTBさせていただきますので,
では,また。
とはいえそのようなことより、凄い演奏ですよね。ロシアのアルバムで、レーベルも凄いというわけでないのに、この集中した完成度。どのように伸びてくれるかは、少し心配ですが、とにかく今年一番でした。
記事楽しみにしています。
ロック、ポップ感覚がやはり新世代の作るジャズなんでしょうね。僕はこういうのが大好きです。なよなよロナンティックな叙情派路線はかなり食傷ぎみであります、はい。
○ロマンティック
どうもすみません。
このアルバムほんとに驚きましたね、クリスさんの記事を読んで、改めていいと思いました。naryさんが急に注文していました、楽しいです。ロナンチック、こちらのほうが音声的にはやわらかいですね。
本文はジャズ批評誌投稿用に書き換えています。音源も貼り付けているので全く同じではありませんので。
それにしても2年前なんですね。
時の経つのは恐ろしいほど早いものですね。