このあいだ、BOOK OFFを散歩していて、グレン・グールドが演奏する「ゴルトベルク変奏曲」の新盤が置いていあったのを眼にとめ、買って帰って三度ばかり聴いた。二十世紀最高の天才ピアニストといわれている。
ただし、J・S・バッハの――という限定がつくけれど。これほど興味深い人物は、そう多くは存在しないだろう。わたしはバッハは、ドイツ系正統派と目されているリヒターやヴァルヒャを愛聴してきたので、正直いって、グレン・グールドは異端だと考えてきた。現在でも、その思いを完全に払拭しているわけではない。しかし、レコードショップへいってみるとたちどころにわかるが、G・Gの人気はすばらしいものがある。ピアニストはなんだかんだといって、避けて通ることができないはずのショパンを、「感情過多」という一語で片づけてしまい、いっさい弾いていないというだけでも変わっている。「ゴルトベルク変奏曲」は、ヴァルヒャやレオンハルトで聴くのとは、ずいぶん違った音楽として耳に入ってくる。この曲の旧盤を手に入れて、はじめて聴いたのはいつだったか?
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