二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

花とあきビン

2013年07月14日 | Blog & Photo
戦前から戦後にかけて活躍した昭和屈指の大詩人、金子光晴に「花とあきビン」という、とても魅力的な詩集がある。刊行されたのは1973年というから、金子さんが77~78歳の年に上梓されたものだ。一編だけでいいから引用しようと考えてネット検索してみたけれど、あいにく一編もかかってこなかった。この詩人は難解で観念的な象徴詩を書いて出発し、中国や東南アジア、ヨーロッパ各地を長年、貧苦にあえいだり、貧苦を楽しんだりしながら放浪し、特異な文明論的エッセイや、ヒューマンなまさざしの中に、苦い生活者の痛苦をひそめた詩を発表しつづけ、後進に多くの影響をあたえている。70歳をすぎてから、「若葉のうた」「愛情69」「花とあきビン」など、軽妙洒脱な批評精神が横溢する . . . 本文を読む
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