わが国最大・最高の画家(絵師)はだれだろうか?
そういう質問をしたとき、わたしが決まって思いえがくのは、葛飾北斎である。
とにかく巨大、スケールの大きさでは、他の画家をまったく寄せ付けない。
はじめて北斎の画集を手に入れたのはいつごろだろう?
普及版で紙質はよくなかった。しかも製版の技術も、現代と較べると劣っている。1960年代70年代の本である。
古本屋で見つけては、集英社の画集をバラで買いあ . . . 本文を読む
他の人にいえること いえないこと
“ぼく”はことばに中に住んでいるのだ きっと。
眼には見えない
手でさわることもできない。
しかし たしかにそこにいる。
あるときは 象みたいに巨きな影であり
あるときは ちっぽけな蟻であり
またあるときは 通行人のいない路地である。
そういうものとしてぼくは“ぼく”を意識する。
猫がよろこぶうららかな日差し。
ああ なんて気持ちのよい小春日和だろう。
鯉の跳 . . . 本文を読む