二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

時代小説から見えてくる昭和のエートス(2) ~ドル箱的ロングセラー

2024年02月16日 | 小説(国内)
   (「御宿かわせみ読本」に付された関係図からコピー) 御宿かわせみは大川端にある。 永代橋の対岸が深川であり、そこに長寿庵というそば屋がある。この時代設定と背景が、本シリーズの成功の秘訣だろう。 全篇を6回も読みなおしたという豪傑がいるようである。わたしの友人の奥さんも、2回読み返し、お気に入りの作品を、また読むといっていた。 「蓬田やすひろさんの挿絵がいいのよ♪」と。 どちらかといえば . . . 本文を読む
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時代小説から見えてくる昭和のエートス(1) ~平岩弓枝「御宿かわせみ」をめぐって

2024年02月16日 | 小説(国内)
平岩弓枝さんが「小説サンデー毎日」で「御宿かわせみ」の連載を開始したのが、1973年(昭和48)である。33話までいったところで雑誌が休刊(廃刊)となったため、「オール讀物」に舞台を移し、1982年4月号から連載が再開された。 文春文庫では「幽霊殺し」からあとが、文藝春秋に変わったのちの作品集のようである。 第34巻「浮かれ黄蝶」の刊行(2006年4月)をもって正編が終了し、「新・御宿かわせみ」 . . . 本文を読む
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