二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

年末年始はこんな本を読んですごした

2016年01月04日 | 歴史・民俗・人類学
昨年末から年始にかけて、こんな本を読んですごした。
母屋にはTVがあるが、わが家にはTVはない。わたしが「TV断ち」したからである。
TVがあると、ついつい視てしまう。わたしの“自由時間”は、たいして興味もない番組を漫然と視ているうち、指のあいだから砂がサラサラこぼれるように消えていく。
これじゃ困る、断つより仕方ないと思ったが、いずれ誘惑にかられて、またTV生活に復帰するかもね。

正月は 菩提寺へ新年の挨拶で出かけた。ありふれた世間話。
親戚が年賀にやってくる。高齢の父母が息災でいるため、母屋にいると、つぎからつぎへとおいでになるおじさん、おばさん(おじいさん、おばあさんというべきか)のお相手で時間がどんどん経っていく♪

年賀状は約40枚しか書かなかったが、配達された賀状のチェックをしたり、級友とランチしたり、電話で長話したり・・・と、いつもの正月と変わらぬ日常を送っている。
わたしはそういったプラーベト・ライフについてはまあ、めったに書かないから、人様のプライベートにも興味はいたって薄い。まったくないというわけではないが。

昭和史への関心がむらむらと起こってきたのは11月の半ばころからかな(?_?) 
20冊ほどの本を買い、そのうち、12、3冊は読んでいる。その中には斜め読みというのもあるけれど、まだ当分、昭和史の周辺を彷徨するだろう。
ネットにもいろいろな情報があふれている。YouTubeにも、興味深い動画がたくさんアップされていて、視はじめると、あっというまに時間がすぎていく。

さてトップにあげたのは、非常に評判がよい半藤一利さんの「昭和史」(平凡社ライブラリー)。
写真で右に写っているのが、いわば“本編”ともいうべき戦前編。1926-1945年までの叙述である。本の成立は、口述筆記というものに近く、半藤さんご自身は平凡社の編集者に対する寺子屋授業とおっしゃっている。
文藝春秋雑誌記者・編集長をながらくお勤めになっただけあって、読者の関心を最後までそらさず引っぱっていく腕は超一流である。
参考文献欄までふくめると、新書版で546ページ。

断言するが、これは名著である。

専門の研究者(そのほとんどは大学のセンセイ)が書いたものも、それはそれで貴重な成果が盛り込まれているだろうが、しばしば退屈で、最後まで読みおえることができない本が多い。
それに較べたら、半藤さんの「昭和史」(戦前編)は、素人でもとっつきやすく、それでいて、秀逸な説得力がある。この本で昭和史の大枠を掴み、それから陸軍史、海軍史、経済史、生活史など、読者のお好みで各論に入っていけばいいのである♪

読み出したらやめられないおもしろさがある。昭和史には関心はないとか、もうよく知っているというなら別だが。
本書は昭和史について書かれた(語られた)、数多い著作の白眉といっておこう。
わたしは読みおえるのがもったいないというか、ほかの本に浮気したりしながら、ゆっくりと味わい、考えながら読みすすめていった。
「うん、うん、そうか! そうだったのか」
わたしが若いころは左翼史観が幅をきかせていた。その反動で、小林よしのりの「戦争論」その他が読まれ、わたしもその熱に巻き込まれたが、ここにきて“保守中道路線”にもどってきた・・・という気がする。

はっきりいえば、歴史観というのは振り子のようなもので、国際情勢の変化や、大きな事件があるたび、右へ左へと揺れ止まない。それ自体が歴史のダイナミズムなのである。

「昭和史」がおもしろかったので、その続編「昭和史 戦後編」を手に入れ、2/3ほど読みすすんだところ。
日米安保条約が締結されるまでの戦後昭和史は、昭和27年生れのわたしにとっては、日本人として生まれてくる直前の出来事ということになる。
日本国憲法は、どういった経緯があって誕生したのか、GHQの占領下にあった日本・日本人は、なにを考え、なにを憂え、どんな生活を送っていたのか?

「昭和史」のレビューは面倒なので、たぶん書かないとは思うが、現在の読書の軸足は、昭和史に置かれたまま・・・である。
また、東大のセンセイである加藤陽子さんの「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」がスタンバイしている。これは東大での講義録をまとめたもののようである。

インテリ女性としての加藤センセイが、近代史・・・とくに戦争(日清戦争から太平洋戦争まで)を中心とした歴史に対し、どういったスタンスで、なにを語ろうとしたのか、まことに興味深いものがある(-_-)



そしてフェルメール。
■日常を聖化するフェルメールのまなざし
http://blog.goo.ne.jp/nikonhp/e/73a8018e5c1474779ca5885b2aca46e8

■フォトグラファーの眼で視るフェルメールの世界
http://blog.goo.ne.jp/nikonhp/e/e3d14757cca97b828d5696e672f3979a

■フェルメールから学ぶ
http://blog.goo.ne.jp/nikonhp/e/717ad55cef0c64fe4c40dcd1c0a30141

以上3つの記事を書いている。
まだ書き足りないところが多々あるが、気が向いたとき書くことにしよう。
資料として参照したのは、この4冊。あとは例によって、webからいろいろな情報をもらっている。
詩人の谷川俊太郎さんや、生物学者福岡伸一さんも、フェルメールの大のファン。
福岡さんの本は、いずれ手にとってみようと思っている。

読書生活は、昭和史とフェルメール・・・こうして年末から年始への一週間がすぎていく。
光陰矢の如し(^^;)

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