「詩人だの歌人だの俳人だの そういう人種が
まだ棲息しているんだってね」と友人にいわれた。
「絶滅危惧種だよね どっちみち」と。
世知辛い世の中になったもんだ。
友人が立去り ちょっぴり夕立があって涼しくなった。
「はて あの句集はどこへ突っ込んだかしら
与謝蕪村のあれは」
缶コーラ片手にロッキングチェアに腰を下ろす。
要するにヒマをもてあましている。
天文学の本が読みたかったけど
朝からさがしているのに いまだ行方不明。
午後はしばらく電話には出ないから ぼくも行方不明。
絶滅危惧種が書き 絶滅危惧種が読むんだから
こんなライフスタイルも “あり”だろう。