二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

路地のある町下仁田

2012年05月26日 | Blog & Photo

昨日はあいにくの雨となったが、充実のカメラ散歩ができた。
群馬県の小都市はほとんど撮りつくしている・・・という気分なので、出かけるまえから降り出していたら、遠出はひかえただろう。富岡市へは2回いっているのに、その奥にある下仁田へはいったことがなかった。
町のホームページを参照すると、平成22年の人口統計は、
総人口:8,911人
総世帯数:3,316戸
とあって、平成17年に対し、5年間で12.2%の減少となっている。

山あいにある、鄙びた小さな町で、こういった町は、群馬ではほかに大間々、中之条、長野原、松井田などがある。
「ネギとこんにゃく」それに、製材が町の経済をささえているらしい。観光資源は、ほとんどないに等しい。私鉄上信電鉄の終着駅があり、西毛の山々が、市街地のすぐうしろまで迫っている。
ところが、道路拡幅やバイパスは建設されたけれど、町中の「再開発」はまったくおこなわれた形跡がないため、なつかしい路地が残っていた!

町中にはコープのほかに、スーパーはないし、コンビニも、街道筋にたった一カ所。
発展から見放され、過疎化が目立つ町だけれど、わたしの眼はむしろ、そういう地域に向かう。昭和のおもかげが、色濃く残っていて、時間のよどみが、あちらそちらに存在し、生活の風韻をかなでている。そういう町を、カメラをもって、ゆっくり散策する。



路地とは、たとえば、こんな場所。
トップにあげた少年たちとも、この近くの路地で出会った。
学校が終わって、遊ぶため、二人がもう一人の少年を訪ねてきたのだが、不在だった。
「おじちゃん、なにしているの?」
と声をかけられた。
「うん、そこの金魚。さっき、いい写真が撮れたんだ」
そういって、わたしは、つぎの写真をモニターで見せた。
そこへ1年年長の小学4年生もあらわれて・・・、



「車輪、こわれているじゃない!」
「うん、そこがいいんだよ。最近の傑作。ところで、きみたち、ちょっと写真を撮ってもいいかな」
「ああ、いいよ。どこで撮る? これTVとか、雑誌に載るの?」
「ううん、インターネットのblogを書いているんだ。そこに載せてもいいかな、きみたち」
「うん、いいよ! あ、見せて、見せて、いま撮った写真」
名刺が切れてしまっていたので、わたしはメモ書きで二草庵を書いてお渡しした。
「バッグに銀河鉄道999のバッヂがついているじゃない。それ、どこで売ってるの?」
少年らしい好奇心が輝いている。
なんだかこころがちょっと熱くなるような、すてきなひとときがもらえた気分。
「ありがとう!」
わたしは子どもたちに、頭を下げた。

雨の中の撮影はめずらしい。
まして、ローライの二眼レフは、雨中撮影は御法度である。
それでも、はじめ小降りだったのでPENデジと併用し、下仁田駅周辺を、120フィルムで2本撮った。
遅い昼食を食べてから、X10に持ち替えて、また一時間と少々、傘をさして見残した場所を歩いた。
路地の奥には、遊技場の跡地や、色町の雰囲気が残った地域があった。





浅い絞りを多用して、なぜか情緒たっぷりに描写してみたかったが、撮像素子が小さくて、なかなかボケが活用できなかったのは残念(=_=)
いまどきのデジカメは、こんな雨の日でも、高コントラスト、高彩度でほんとうによく写る。わたしはiAUTOとか、EXRモードにして、パシャパシャ写していった。
写真にとって、被写体がすべて(まあ、一応そういっておこう)なので、とにかく歩かなければならない。
そして、下仁田の町は、そんなわたしの想いに、よく応えてくれた。年間ベストの上位にくるような写真を、何枚か撮ることができたからね。
ありがとう・・・、サンキュー下仁田町の皆さん! 



☆mixiアルバム「雨の下仁田」はこちら(友人の友人まで公開)。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000060599227&owner_id=4279073

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