
ある日、突然denimroad(以下denimさんと略称)さんが、わたしの板にやってきた。
そのときのことをいまではあまりよくは覚えていないが、「へええ、mixiにもこういうフォトグラファーがいたのか」という、ある種の驚きをもたらしたことは、思い出すことができる。
写真に対するじつによいセンスをもっていたし、あふれんばかりの情熱をかかえていらしたので、わたしにはたいへん刺激的で、すでにアップされていたアルバムに、イイネ! マークをつぎつぎつけていった記憶がある。
機材としてのカメラに対するご趣味も、並大抵ではない。
アルバムはおおむね、その機材別(どのカメラで撮った写真なのか)によって編集されていた。
アイホンアプリで撮った写真や、オリンパスのデジカメで撮った写真にまじって、フィルムで撮ったものが、やがてふえていった。むろん、その多くがすぐれた作品である。
「プロになれるほどの才能にめぐまれているなあ」
これはお世辞でもなんでもなく、わたしの率直な印象である。もし、もっと若くして写真に目覚めていたら、そうなったに違いない・・・と、わたしはおもう。
じつは数日前から、どうやってdenimさん論を展開したものか、いささか迷っていた。
彼の写真世界が、多様なひろがりをもっていて、とても、とても一刀両断することなんてできないからである。
そこで、とりあえず、ここでは、最近ふえている肖像写真・・・つまりポートレイトにねらいを絞って書かせていただく。別なマイミクさんには、別なdenimさんの顔が見えるだろう。
はじめに、トップの一枚を見て欲しい。
オリンパスの二眼レフの浅いピントをうまく利用して、木琴(?)とたわむれる女性の後ろ姿を雰囲気たっぷりにとらえ、見る者を惹きつける。本棚があるので、図書館か公民館、あるいは記念館のようなところなのだろう。
なんともいえないテイスト感が、この作品を輝かせ、見るものの心に忍び込む。
写真でしか表現できない、まさにフォトジェニックな世界が、彼のすぐれたまなざしと、中判カメラのレンズ描写によって生まれている。
お許しを得て、さきほどランダムにアルバムの写真を十数枚ダウンロードさせていただき、比較検討しながら、この一作を、いわば再発見したといってもいいかも知れない(^-^)
「こういう作品の出現を待っていたぞ!」
わたしにいわせれば、これこそため息ものの一枚である。
写真家の存在が、空気となって、この空間をデリケートに包みこんでいる。むろん、こればかりでなく、ほかにもすぐれた写真があるので、つぎにピックアップしてみよう。






いいなあ、いいですね!
こういったものを見ていると、ことばなんて、まるで追いつかない。
写真がダイレクトなメッセージをつたえてくる。彼は写真が本来的にそなえている直接性をよく心得ている。これらはすべて、denimさんのいわば“魔法”である。
この場にいたら、だれでもがこういった写真が撮れるわけではない・・・という意味において。
彼はハービー山口さんのファンだという。わたしはハービーさんは「ライカとモノクロフィルムですぐれたポートレイトを撮る人」という程度の知見しかないのでよくはわからないが、ハービーさんから学んだ人へのヒューマンなまなざしが、ここで見事に開花しているといっていいだろう。
denimさんとわたしは、かぶさる部分もあるし、そうでない部分もある。
「外へ出ていって、他人にお声をかけて写真を撮る」というのは、アマチュアにとってはそう容易なことではない。キャンディッドともなると、なおさらだろう。
人は人が好きなのに、同時に恐れている。
どんな場合でもそうなのだが、写真とは結局のところ、被写体との対話であり、共作なのである。絵画と違って、アトリエで空想したりしたのでは、写真にならない。
「被写体あっての写真」ということなので、彼が足が棒になるほど歩きまわったということばが、その情熱の在りようをつたえている。
わたしはどちらかというと実用本位で物事を考えるので、彼が集めているような「趣味のカメラ」への偏愛は、わかるようで、わからない(^^;)
しかし、むろん、わかる部分もある。
「CL」(CAMERA LIFEの略称)という雑誌がある。
その表紙に、毎号こう書かれている。
「カメラは毎日を楽しくハッピーにする」と。
力み返ったり、深刻になったり、気むずかしい顔をする必要なんて、まったくない。
「どうですか? 少しは楽しめましたか」と、カメラたちがささやく。
手の中のカメラ。彼らの声にならない声に耳をすましながら、今日も人に会いにいく。
その人を、その被写体を称えるために。
denimさんは、そのことを、ほんとうによく知っているし、楽しんでいる。
この日記は彼のCAMERA LIFEに対する、わたしからのささやかな応援メッセージ!
すばらしい写真を、いつもどうもありがとう、と(^_^)/~
※お断りするまでもありませんが、ピックアップした写真は、すべてマイミクdenimroadさんのもので、著作権は彼にあります。