
朝起きたらますまずまずのお天気だったので、沼田市へ出かけることにした。
過去に数回、沼田城址公園の桜を撮影しに出かけているので、地図など見なくても、おおよそ勝手はわかっている。
花曇りというのかな?
温かく、水蒸気が多いせいか、遠景は霞がかかったように白っぽい。
前田真三さんのファンとなって、ポジフィルムで風景写真をやっていたころ、日光やその周辺の山々へは、中判カメラを2台、さらに35mmカメラを2台もって、春、夏、秋と出かけていた。
冬はスキーで、よく沼田を通過した。
いまのわたしは、桜花そのものより、お花見のお客さんのほうに、むしろ関心がある。
この日、ヤシカマット124Gをメインに据えて、220のネガカラー2本のほか、120を5本バッグにしのばせていった。だけど、二眼レフで本数をこなすのは、なかなかたいへん。時間をかけ、一枚、一枚に思いをこめてシャッターを押すので、いささか疲れてしまい、220を2本撮影したあとはPENデジのお気楽ショットに切り換えた。
冒頭に置いたのは、この日お遇いしたお似合いのステキなカップル。アングルを工夫し、すぐ横で写真を撮っていらしたので、「ツーショット、お撮りしましょうか?」とわたしの方から声をかけた。ご夫婦ではなく、恋びと同士なのだろう。東京からやってきた・・・といっておられた。
一応手づくりの名刺をお渡しし、あとでメールの添付ファイルで作品を送付するとお約束した。
いいなあ、若いいのちの輝き。こんな時代が、わたしにもあったのだぞ(笑)。
もう忘れかけているけれど(=_=)



こういう光景を眺めていると、お花見は日本人にとって、とても晴れがましい、特別な行事だということが、よくわかる。アメリカ型のショービジネスのまねをしたイベントより、広く深く、日本人のこころの奥底に根ざしている。
真っ黒い一眼レフに、お値段の高い望遠ズームをぶらさげたコンテストおじさんが、何人もきていた。
わたしのような旧式の二眼レフをぶらさげたアナクロチックなカメラマンはむろん、ほかにはいない(笑)。
遠くから恐るおそる、隠し撮り気分で撮影するのではなく「おれはカメラマンだぞ」とアピールするほうが、よい結果が得られる。重たい二眼レフは少々肩や首がこるけれど。
だけど・・・やっぱりローライが欲しいなあ(~o~)
広島風お好み焼きをパクついてから、城址公園をあとにし、沼田の旧市街を歩いてみた。
越後か東北にでもあるような、山あいの小さな、風情のある町である。
驚いたのは「公衆トイレ」が、あちこちにあること。わたしも二度利用させていただいたが、古びてはいても、とても清潔で印象に残った。市役所がオンボロなのもいいぞ!
生きて呼吸している、なかなか存在感のある町で、わたしはこのあいだ訪れた信州上田市を思い出した。

☆mixiアルバム「沼田市との対話」はこちら(友人の友人まで公開)。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000057644203&owner_id=4279073