二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

写真の愉しみって何だろう? ~マイミク岡山さんの存在感

2013年10月29日 | Blog & Photo
岡山太郎さんは、独自の存在感をしめす写真つながりのマイミクさんである。
リアル友ではなく、mixiだけのつながりなので、わたしが知っている岡山さんは、その全体像のほんの一部分。
だから岡山さんについて語ろうとするのは、たとえば2LDKのアパートがあったとして、その住居の全体を、玄関にあるたった一つの鍵穴か、せいぜい小さな窓からのぞいて、想像してみる・・・というのに等しい。そのことをはじめにお断りしておこう。

岡山さんは、風景や花の美しくデリケートな写真の撮り手で、そういったお仲間の中でも、群を抜くセンスと、情熱の持ち主。
mixiに「共通の友人」が15人いるから、いちばん接点の多いマイミクといえるかも知れない。
しかし、ご本名も、職業も知らないし、過去の閲歴も存じ上げない。
たいへんな紳士なのは間違いないだろうが、ジョークもよく飛ばすし、配慮もいきとどいているので、わたしはある意味、頼りにしている。
バランスがとれていて、謙虚なお人柄である。尖ったところのあるわたしからいうと、ときどき、「ちと歯がゆいなあ」と感じられる場面もあったりする。





岡山さんの世界を、たった4枚、5枚の作品で語ろうとするのは無謀な企てというほかなく、アルバムを拝見していると、非常にふところの広く深いフォトグラファーであることがわかる。
おつきあいがはじまって、3年か、3年半くらいだろうか?
人格円満というと、どこやらのご隠居を思い出すだろうが、そうではなくて、その裏に若々しく、ちょっと気むずかしい美の探究者がかくれているのを、見逃してはならないだろう。
一つのイメージをとらえるにあたって、作品の大部分はその場所に何度も足をはこび、納得できる一枚を追求しつづけた果ての成果なのである。
この高貴なともいえる繊細さ!
そこに注がれるまなざしのやさしさは、半端なものではない。
光のとらえ方や背景のボケに対するこだわり、構図感覚もすばらしく、フルサイズ機を自家薬籠中のものとして使いこなしている。わかってはいても、なかなかここまでコントロールしきれるものではないだろう。


失礼ながらわたしがはじめて、
「ん? おや、すごい眼の持ち主がいる」と気が付いたのは、じつはわたし自身のつぎの一枚を、岡山さんが、声を大にして(・・・わたしにはそう感じられたという意味)評価して下さったときだった。

http://photo.mixi.jp/view_photo.pl?photo_id=1109219796&owner_id=4279073
「雑誌に投稿して下さい」
という一言をいただき、ほかにもなにかおっしゃられていた。
この一枚は別なものを撮ろうとしてあやまってシャッターボタンにふれたため撮れてしまったような写真だったから、その場でボツにしようと思ったことを覚えている。
しかし、レタッチし、アルバムにアップする段階になって、ようやく・・・という経過をたどった作品だった。
岡山さんにはげまされ、「おー、わかって下さる人がいるもんだな」
と少し自信を深め、それから、わたしにとって岡山さんは「存在感のある人」になっていった。

写真つながりのマイミクといっても、わたしのアップする写真の数が多いせいか、凡作駄作を連発するせいか(笑)、わたしの場合、アルバムを丹念に見てコメントを下さる方は、そう多くはない。
岡山さんはそんなお友達なのだが、彼のイイネ!マークや、コメントはわたしからみて、じつに当を得たものが多いのである。つまりすぐれた批評家がそこにいる。
単なるエールの交換ではなく、参考になるコメントをビシッ!と書き込んで下さるのは、感謝・感謝である。





写歴は浅く、まだまだ修行中だとおっしゃっているが、許可を得て引用した作品を見れば、相当な実力者だということは、だれの眼にも明らかだろう。豊かな資質をお持ちなのだ。
岡山さんは、blogもやっておられて、そっちのレイアウトで眺めると、美しい写真が、ますます美しく見える。
岡山さんは、そこにあるものをコピーするフォトグラファーではなく、「美しいもの」を創りだす、そういうフォトグラファーなのだということは、blogを見たほうがわかりやすいかも知れない。


まだ30代だったころ、前田真三さんや竹内敏信さんに憧れ、ペンタックスの中判カメラ2台と交換レンズを四駆に積み込んで、夜討ち朝駆けして、日光へ、谷川や奥志賀へ、裏磐梯や富士山麓へ出かけていって風景を撮っていた時代がある。
当時撮影したブローニーは書庫に眠っているから、探し出してスキャンしようかと考えなくもないが、上に引用した岡山さんの作品レベルには、はるかにおよばない。
RAWで撮影し、時間をかけてじっくりと現像に取り組むためには、撮影とは違った情熱を必要とする・・・と、わたしはかんがえている。

岡山さんは、撮影もお好きには違いないが、それと同じくらい、その写真の“仕上げ”がお好きなのだろう。じつに丁寧な、根気を必要とする作業だろうから、j-peg撮りっぱなしの写真と区別して、“そのつもり”で見なければならないとわたしはおもう。

日本語には畏友ということばがある。
岡山さんにアルバムを見てもらうというのは、わたしのよろこびの一つということなのだ。
そういうたしかな存在感がある友人である。
「写真の愉しみってなんだろう」と考えたとき、それは撮った写真をシェア(share)できる貴重な友人がいることといってもいいかもしれない。そのことを忘れずに最後に書いておこう。
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