二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

子どもが主役

2011年10月15日 | Blog & Photo


ほんとうは、大人の出る幕はもうないのである。

舞台の袖に引っ込んでいればいい。
「あんたの出番は、もうとっくに終わっているのですよ。なんで、それに気がつかないんだろう。自惚れて、自惚れて。さてさて、なにがしたいの? なにをするの?」

これまで撮影したFhotoを眺めながら、そんな想いにとらわれる。





セイショウナゴンさんにも、ウラベカネヨシさんにも、子どもはいなかった。
子どもが歴史の表舞台に登場するのは、そんなに古い時代のことではない。
だけど、地球の未来を担うのは、間違いなく、こういった子どもたち。
五十、六十のじいさん、ばあさんは、いつまでも出しゃばっていないで、主役の座を、
これら次世代にゆずって、脇役となり、シナリオライターとなり、裏方となり、老いと死に親しむべきである。

「子どもだって、人間である」と最初にいったのは、だれだろう?
時計職人の息子で女ったらしで変態性欲の持ち主だった、フランスのジャン・ジャック・ルソーあたりかしら?
人びとと、子どもたち。
人間が「子ども」でいられるのは、たぶん、ほんのわずかな期間――十年かそこいらなのである。残りの全期間を、人間は「大人として」過ごさねばならない。

戦後文学サイコーの傑作「野火」を書いた大岡昇平流にいえば、すべての男は人殺しであり、すべての女は淫売なのである。

ところがそこには、子どもというカテゴリーが欠けている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 光と影をコントロールする写真術 | トップ | Flower days »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Blog & Photo」カテゴリの最新記事