およそ15年。
長らく眠りについていたコニカヘキサーにいただき物のベルビア50をつめて、11月に入り、郷土をゆったり、ゆらゆらクルージングした。5日にラボに依頼し、12日に現像があがってきた。
本日スキャン&レタッチができて、mixiアルバムへアップした。この日記=blogはそのレポートである♪
まずはこれ。
使用したコニカヘキサー。新品で買ったわたしの2台目ヘキサー。
35ミリF2の高速レンズがついているが、SSは1/250までしかない。
M型ライカとほぼ同寸のため、AF仕様のライカのつもりで持ち歩き、主に至近距離からのスナップで活躍した。
カメラはいろいろ持っているけれど、そのへんの棚かデスクの上か、フロアにころがしてある。しばしばほこりまみれになってしまう(^皿^) しかし、わたしはあまり気にしない。気になったら、ブロアーで吹き飛ばしたあと、シリコンクロスその他の布で拭いて、一丁上がり・・・となる。
1.牧場にて
まずトップの一枚。この光景に出会ったとき「おっ、これはイイ写真になるな!」と直感した。4、5枚撮影したが、タテ位置フレームのこれを選んだ。
ベルビア50の登場は、われわれ世代にとってはショッキングな出来事であった。
こってりした色乗りの凄さ! それまであったどんなリバーサルフィルムにも似ていなかった。
単に「派手ハデ」なだけの色再現ではない。クリエイティヴな色とでもいったらいいのか...?^^); 「ベルビアがつくりだす色の世界」なのである。
発売は1990年(平成2)3月。フジフィルムはリバーサル新時代などといって、自信たっぷりにアナウンスしていた。
細やかな粒状性、力強い色再現、色再現の安定感に、ネイチャーフォトをやっている諸氏が飛びついた。わたしもしばらくは風景写真はベルビアと決めていたことがあった。
なにしろ中判カメラで、ISO50だから、三脚は必需品だった。ベルボンの重い三脚を二本担いで、八ヶ岳、富士山麓、谷川岳、奥日光、裏磐梯へ四駆を飛ばしたものだ。80年代なかばころから90年代はじめまでそんな撮影を、休みのたびにやっていた。
その後、色の正確さを追究するようになって、ベルビアからは離れた。
2.郊外のアパート
これを見ていただこう。これはわたしの“記憶色”とはかなり隔たりがある。
わたしが見たこのアパートの外装は、もう少しおとなしい肌色に近かった。午後3時を過ぎていたはずだから、色温度の影響が出て、マゼンタにころんでいる。
またわずかに周辺光量落ちがあるのがわかるだろうか?
3.ガラスの靴
ここは結婚式場。デモンストレーションのため、リムジンが常駐してある。
晴天の日陰なので、青カブリがハッキリ出ている(・"・。) こうなることは撮影まえに予測できた。かなりアンダー露出だったため、レタッチで+1/4修正したが、色味はいじっていない。
4.エレベーター
蛍光灯下である。グリーンカブリが出ている。こういう場合、その昔、プロのカメラマンは面倒でもこまめにフィルターで色補正をしていた。撮影助手はカラーメーターを持ち歩き、条件にあわせてフィルターを交換するのがお役目だった。
5.晴天のサッカーグランド
こういう場面では、ベルビアがその本領を発揮する。惚れぼれとするようなスカイブルー。
色の純度がとても高く、デジタルでは最近の新製品であっても、なかなか出せない領域ではないかとおもえる。ベルビアがつくり出すテイスティな原色の冴え・・・といっておこう。
結果がよくわかる参考例を一つあげておく。
作例に使えるかもしれないとかんがえて、ほぼ同じ被写体を撮影してある。
6.農村の光景(1)オリンパスOM-D(ノーマルモード)
7. 同 (2) ヘキサー(ベルビア50)
わたしが色の純度といっている意味がおわかりだろうか?
カメラ任せで、プログラムモードばかり使っていると、写真が上達しないとよくいわれる。
たまにはこうして、作例を比較検討し、色に対する感受性を鍛えなおすほうがイイだろう/_・)/_・)
人工照明や日陰ではリバーサルはいろいろな問題をかかえている。しかし、晴天下、青や緑の色の冴えにはすばらしいものがある。
とはいえ、フィルムカメラは、経年変化による劣化が激しいことは議論の余地のない事実。
ましてベルビア50は、ISO50なのである。リバーサルはラチチュードの幅が+-0.3といわれている(ネガの場合は一般的に+-2.0)ので、わずかな露出の狂いがいのち取り。
またクラシックなカメラは、SSが指標通り出ていないことが多い。1/500が実測1/400なんてことがめずらしくはない。
したがって、今回の撮影ではオーバー目に写るかと思っていた。だが、結果はその逆。1/3絞りほどアンダーに描写された。アルバムでは、それをレタッチによって、修正してある。
8.建設機材
最後にこれをアップしておこう。
リバーサルは一般的に高コントラスト。
そこへもってきて、ヘキサーというこのレンズがまたコントラスト性能が高い。
明暗差が激しい被写体だと、暗部がしばしば「つぶれる」という現象が起こる。
暗部にあわせると、明部が飛んでしまう。リバーサルを使う場合、頭につねにおいておかねばならない。
低感度のリバーサルを使用するのは、こういった緊張感の中で撮影をすすめるということである。
かつては、それが当たり前であった。
いやはや・・・というわけで、ベルビア50とコニカヘキサーをまずまず堪能できた。
読み返したらいい足りないところもあるが、長くなるので、また別の機会に譲ろう。
<終わり//>
長らく眠りについていたコニカヘキサーにいただき物のベルビア50をつめて、11月に入り、郷土をゆったり、ゆらゆらクルージングした。5日にラボに依頼し、12日に現像があがってきた。
本日スキャン&レタッチができて、mixiアルバムへアップした。この日記=blogはそのレポートである♪
まずはこれ。
使用したコニカヘキサー。新品で買ったわたしの2台目ヘキサー。
35ミリF2の高速レンズがついているが、SSは1/250までしかない。
M型ライカとほぼ同寸のため、AF仕様のライカのつもりで持ち歩き、主に至近距離からのスナップで活躍した。
カメラはいろいろ持っているけれど、そのへんの棚かデスクの上か、フロアにころがしてある。しばしばほこりまみれになってしまう(^皿^) しかし、わたしはあまり気にしない。気になったら、ブロアーで吹き飛ばしたあと、シリコンクロスその他の布で拭いて、一丁上がり・・・となる。
1.牧場にて
まずトップの一枚。この光景に出会ったとき「おっ、これはイイ写真になるな!」と直感した。4、5枚撮影したが、タテ位置フレームのこれを選んだ。
ベルビア50の登場は、われわれ世代にとってはショッキングな出来事であった。
こってりした色乗りの凄さ! それまであったどんなリバーサルフィルムにも似ていなかった。
単に「派手ハデ」なだけの色再現ではない。クリエイティヴな色とでもいったらいいのか...?^^); 「ベルビアがつくりだす色の世界」なのである。
発売は1990年(平成2)3月。フジフィルムはリバーサル新時代などといって、自信たっぷりにアナウンスしていた。
細やかな粒状性、力強い色再現、色再現の安定感に、ネイチャーフォトをやっている諸氏が飛びついた。わたしもしばらくは風景写真はベルビアと決めていたことがあった。
なにしろ中判カメラで、ISO50だから、三脚は必需品だった。ベルボンの重い三脚を二本担いで、八ヶ岳、富士山麓、谷川岳、奥日光、裏磐梯へ四駆を飛ばしたものだ。80年代なかばころから90年代はじめまでそんな撮影を、休みのたびにやっていた。
その後、色の正確さを追究するようになって、ベルビアからは離れた。
2.郊外のアパート
これを見ていただこう。これはわたしの“記憶色”とはかなり隔たりがある。
わたしが見たこのアパートの外装は、もう少しおとなしい肌色に近かった。午後3時を過ぎていたはずだから、色温度の影響が出て、マゼンタにころんでいる。
またわずかに周辺光量落ちがあるのがわかるだろうか?
3.ガラスの靴
ここは結婚式場。デモンストレーションのため、リムジンが常駐してある。
晴天の日陰なので、青カブリがハッキリ出ている(・"・。) こうなることは撮影まえに予測できた。かなりアンダー露出だったため、レタッチで+1/4修正したが、色味はいじっていない。
4.エレベーター
蛍光灯下である。グリーンカブリが出ている。こういう場合、その昔、プロのカメラマンは面倒でもこまめにフィルターで色補正をしていた。撮影助手はカラーメーターを持ち歩き、条件にあわせてフィルターを交換するのがお役目だった。
5.晴天のサッカーグランド
こういう場面では、ベルビアがその本領を発揮する。惚れぼれとするようなスカイブルー。
色の純度がとても高く、デジタルでは最近の新製品であっても、なかなか出せない領域ではないかとおもえる。ベルビアがつくり出すテイスティな原色の冴え・・・といっておこう。
結果がよくわかる参考例を一つあげておく。
作例に使えるかもしれないとかんがえて、ほぼ同じ被写体を撮影してある。
6.農村の光景(1)オリンパスOM-D(ノーマルモード)
7. 同 (2) ヘキサー(ベルビア50)
わたしが色の純度といっている意味がおわかりだろうか?
カメラ任せで、プログラムモードばかり使っていると、写真が上達しないとよくいわれる。
たまにはこうして、作例を比較検討し、色に対する感受性を鍛えなおすほうがイイだろう/_・)/_・)
人工照明や日陰ではリバーサルはいろいろな問題をかかえている。しかし、晴天下、青や緑の色の冴えにはすばらしいものがある。
とはいえ、フィルムカメラは、経年変化による劣化が激しいことは議論の余地のない事実。
ましてベルビア50は、ISO50なのである。リバーサルはラチチュードの幅が+-0.3といわれている(ネガの場合は一般的に+-2.0)ので、わずかな露出の狂いがいのち取り。
またクラシックなカメラは、SSが指標通り出ていないことが多い。1/500が実測1/400なんてことがめずらしくはない。
したがって、今回の撮影ではオーバー目に写るかと思っていた。だが、結果はその逆。1/3絞りほどアンダーに描写された。アルバムでは、それをレタッチによって、修正してある。
8.建設機材
最後にこれをアップしておこう。
リバーサルは一般的に高コントラスト。
そこへもってきて、ヘキサーというこのレンズがまたコントラスト性能が高い。
明暗差が激しい被写体だと、暗部がしばしば「つぶれる」という現象が起こる。
暗部にあわせると、明部が飛んでしまう。リバーサルを使う場合、頭につねにおいておかねばならない。
低感度のリバーサルを使用するのは、こういった緊張感の中で撮影をすすめるということである。
かつては、それが当たり前であった。
いやはや・・・というわけで、ベルビア50とコニカヘキサーをまずまず堪能できた。
読み返したらいい足りないところもあるが、長くなるので、また別の機会に譲ろう。
<終わり//>