二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

記憶遺産を旅する

2016年10月11日 | Blog & Photo
何を見ても何かを思い出す」というのは、アーネスト・ヘミングウェイの未発表短編集のタイトル(高見浩訳)。
中身は読んではいないけれど、数年前から、このことばがとても気になるようになった。こういう心的現象は、熟年あるいは老年になった証拠ではないだろうか? 
歳をとるにしたがい、だれしも、記憶遺産がふえていく。

「少しでも若く見られたい、若くありたい」と人びとは願い、そう振る舞う。
「退屈? ボンヤリしているようにみえるからね。そんなことないの。思い出すことが山ほどあるから」といって、ある女性がほほえんだ。
20年前、30年前・・・あるいはもっと昔を、彼女の心は散歩している(^^)/

夕焼けに眼を向けながら、夕焼けなんて見てはいない。
彼女は彼女の「記憶遺産」を旅している。
それは老年の最大の愉しみの一つだろう。
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