二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

汗となって出てゆく(ポエムNO.4-13)

2020年08月26日 | 俳句・短歌・詩集
   (2013年8月 前橋)



汗が出てゆく
今日もぽたぽた。
汗が出てゆく
汗となってでてゆく。
なにがって 汗という水分が
血管を通って皮膚に達し
そこから外界へと蒸発する。
その一粒ひとつぶが
ことばだとしたらどうだろう。
しょっぺえおやじでも
甘い詩もあるだろうし
塩辛い詩もある。
その人特有のにおいもある。

汗となって出てゆく。
汗はほんとうに詩によくにている。
詩は汗ににている。
生きるとは汗をかくこと。
悲しいととき汗をかき
うれしいとき汗をかく。
惨事に見舞われたら 死なないかぎり
汗をどっとかくだろう。
人間の皮膚は汗をかいて
体温調節をし
感情すらコントロールする。
夢もそうかもしれない。
夢が意識を破綻からすくい 守っている。

夜。
汗をかき
夢にひたって
ぼくたちはこの生活を明日という日につないでゆく。
闇のやさしさ。
なにもかも暴きたてずにはいない白昼の残酷さから逃れ
闇のなかに身を横たえる。
夜。
をんなを抱き
をとこに抱かれる。
このを 「を」の重要さに
気づいている人は少ないだろう。

ことばが汗となって出てゆく。
汗は詩なのだ
詩は汗なのだ。
・・・といってはいけないだろうか。
いけないだろうか?
汗が出てゆく。
詩をかいているつもり
なのに じっさいには汗をかいている。
ぽたりぽたりと
今日も汗がしたたる。
そして夜。
汗をかき
夢にひたって

ぼくたちはこの生活を明日という日につないでゆく。

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