こんな空の深さをいつまでものぞきこんでいてはいけない。
ぼくの足は地をはなれ ふわりとはなれて
ブランコに乗ったときみたいな浮遊感にとりつかれるから。
気分がいいとか 悪いとか
なんとでもいえるが
紐を解かれた風船のように心が飛んでいく。
そういえば・・・逢魔が時ということばがあったな。
ぼくはぼく自身から抜け出して浮遊する。
仕事からも家庭からもはぐれて途方に暮れる初老のぼくを
何者かがやってきて連れ去る。
ぼくはとある秋のはずれで
いつまでも帰ってこない行方不明のぼく自身を待っている。
自己肯定と自己否定の影がゆらゆら風に揺れている。
その一本一本が 岸辺の葦のようにたよりなく
あっちへこっちへと首(こうべ)をたれ
ガランとした虚しい夕暮れに挨拶を送っている。
ああ やつも死んでしまったな。
ぼくに宛てた遺書は永遠にとどかないだろう。
一本の木として
根をおろしたところでその生涯をまっとうする潔さに
いまさらのようにあこがれる。
人間ではなく 一本の木だとしたら
この秋の風をどう感じるのだろう。
その向こうからやってくる過酷な冬を。
ぼくの足は地をはなれ ふわりとはなれて
ブランコに乗ったときみたいな浮遊感にとりつかれるから。
気分がいいとか 悪いとか
なんとでもいえるが
紐を解かれた風船のように心が飛んでいく。
そういえば・・・逢魔が時ということばがあったな。
ぼくはぼく自身から抜け出して浮遊する。
仕事からも家庭からもはぐれて途方に暮れる初老のぼくを
何者かがやってきて連れ去る。
ぼくはとある秋のはずれで
いつまでも帰ってこない行方不明のぼく自身を待っている。
自己肯定と自己否定の影がゆらゆら風に揺れている。
その一本一本が 岸辺の葦のようにたよりなく
あっちへこっちへと首(こうべ)をたれ
ガランとした虚しい夕暮れに挨拶を送っている。
ああ やつも死んでしまったな。
ぼくに宛てた遺書は永遠にとどかないだろう。
一本の木として
根をおろしたところでその生涯をまっとうする潔さに
いまさらのようにあこがれる。
人間ではなく 一本の木だとしたら
この秋の風をどう感じるのだろう。
その向こうからやってくる過酷な冬を。