二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

かつて「文学全集」というものがあった

2015年08月02日 | Blog & Photo
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ここを見て、いささかびっくり!
へええ、ひとくちに「文学全集」といっても、こんなにたくさんの種類が上梓されていたのか(;´ρ`)
多少は知っているつもりでいたが、見通しがまだ甘かった。

つい最近も、妹が母屋の奥の押入れを片付け、大量の「過去の遺産」をまとめて廃棄したのを見たが、その中にこれがあった。

■少年少女世界文学全集(講談社)
JR(当時国鉄)に勤務していた父親が、われわれ子どもたちに定期購読してくれたもので、ほぼ全巻揃っていた。
「もう二度と読むことはあるまい」と思って、廃棄処分のため、軽トラにのせて市の処分場へもっていくという妹を、わたしも引き留めはしなかった。
表紙が布製、背がレザー製のとてもしっかりした本で、函入り上製本だった。

何冊かは読みふけった記憶がないこともないが、小学校時代はスポーツマンだったから、家にこもって読書にふけるなんてこと、めったになかった。
少年少女向けの童話、神話、伝説の類もあったが、大人の本を、子供向けに書き直した作品もかなりふくまれていた。

いまになって、選んで、何冊かとっておけばよかったかな・・・と思うけれど、すでに後の祭り(ρ_・).
そうでなくても、わが家はどこもかしこも本だらけ。捨てられるときには、思い切って、バッサリ捨ててしまうのがいいだろう。
捨てようとかんがえながら、捨てられずに放置してある書物。二千冊は優に超えるに違いない。母屋、物置、わが家。わたしが中学、高校時代に読みふけった本だけでも、分厚いほこりをかぶったのが五百冊は眠っている。



最近買ってきた本の中に「日本文学全集」「世界文学全集」なんてものがある。
昭和四十年代から五十年代前半にかけ、そういった叢書が各社から一斉に、あるいはつぎつぎと刊行された。
それがいま、ワゴンセールとなって、古書店やBOOK OFFの棚に108円で選り取り見取り。
現代文学のファンであるより、どちらかといえば近代文学のファンであるわたしが、たとえば、岡本かの子が読みたい、武田麟太郎が読みたいということになったら、新刊書では、非常に、いやほとんど手に入らないと覚悟するほうがいい。
そういうとき頼りになるのが、この昭和の文学全集なのである。
日本文学だけでなく、翻訳された世界の文学が、100円+税というお値段で手に入る。

明治・大正・昭和の作家の中でつねに高い人気を誇っている夏目漱石、芥川龍之介、太宰治、三島由紀夫等々ならば、その代表作は文庫本その他の新刊本で、いつでも入手可能。しかし、歴史の闇・・・というか、なかば忘却の淵に沈んでしまったような作家の場合、その本を買って、手許に置くのは、そう簡単ではない。
それを容易く実現してくれるのが、“あの時代”の文学全集なのである。

そういった作家をすべて読もう、あるいはあれもこれもと手を出すつもりはない。
しかーし(;´-`) なにかのきっかけで、
岩野泡鳴
近松秋江
森田草平
里見
広津和郎
宇野浩二
葛西善蔵
滝井孝作
牧野信一
武田麟太郎
・・・・・・etc.

などという作家に興味が芽生えたら?
大衆文学、推理小説などエンターテインメント系の作家までふくめたら、この数倍の名があがるにちがいない。

かつて「文学全集」というものがあり、それは一世を風靡したといえるほど、売れたのである。わたしはよきにつけ、悪しきにつけ、そういう風潮を真っ向からあびながら、幼少年期を過ごした。いまでも十分痕跡をとどめているのも当然♪


記録的な猛暑が、日本をひろく覆っている。
ムリをして出歩かないで、涼しい場所にゆったりと身をおいて、
読書にはげもう。行楽の夏ではなく、読書の夏。
すでに8月突入である。



あれを読んだらあれ、つぎはあれ。
小説を書くほうはいっかな進展がないが、本は確実に、この夏もふえつづけている´д`*)アチチ、アセアセ

現在では河出書房新社から、池澤夏樹個人編集で、世界文学全集、日本文学全集が刊行されている。
昔の定番ともいえる名作物の収録作品は、リストがガラッと変化している。それはどうかな・・・たぶん21世紀の文学全集といえるものなのであろう。

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