二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

木槿のソネット(ポエムNO.3-87)

2020年07月03日 | 俳句・短歌・詩集
   (2019年7月撮影)



川べりに大きな木槿がふうわり
落下傘のようにいくつも
いくつも舞い降りて
つつましやかなピンク色であたりをつつんでいる。

若くして亡くなった女流詩人のおもかげは
たおやかなシルエットとなって風に舞う。
あれはだれかをさがしているのだろう。
待っている人はやってこない。

夜になると花びらはとじて
愛のことばを大事そうにかかえながら
首をうなだれ 口もとをかすかに開き

いつかあらわれる人を待っている。
千年乙女・・・
際限のない時間のなかの うるわしきことばのかけら。

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