二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

夕暮れの食卓   2022-02(6月26日)

2022年06月26日 | 俳句・短歌・詩集
いっしょに年を重ねてきたものっていいな。
なつかしいというか 独特な酸っぱさ甘さ
あるいはサビのような不思議な味がする。
そうぼくは古くなったフィルムカメラに向かってつぶやく。

見慣れたものにばかり囲まれて生きている
高齢者らしい平和な サビ色の生活。
それを乱すものがいたら
敢然と立ち向かったりしてね カマキリ戦士のように。

見渡すかぎりの田園のかなたにポツンポツンと灯が点っている。
だれか数人がその灯の下にいて
なにかしている。
夕暮れのせせらぎが聞こえる。

夕暮れは神さまの食卓に似ている。
その人にだけ聞こえるせせらぎの音に耳をすましながら
なつかしいものたちが囲む毎日の食卓。
いただきます さっさと箸をつけないと食べられてしまう。

食いしん坊の神さまにね。

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