二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

2012年ベストセレクション第6回「フィルム写真6×6」編

2012年12月21日 | Blog & Photo
<後ろ姿の女>アルバム「ヤシカマット124G」5.5


ディープなカメラファンは年々少数派に追いつめられていくが、まだ滅びてしまったわけではない。隔月刊だか季刊だか知らないけれど、フィルムカメラを中心に編集された情報誌は「CL」「カメラマガジン」など2、3誌が継続刊行中。
予期しなかった収入が少しあったので、さてさてどう使おうかと迷ったけれど、「後に残るものをなにか・・・」と考え、趣味のクラカメという結論に達したのだ(笑)。
そして、バックナンバーにさかのぼって雑誌を耽読し、6×6判に辿り着いた。

日記を振り返ってみると、ヤシカマット124Gがやってきたのは、今年2012年3月8日。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1828372600&owner_id=4279073
地元中古カメラショップで、オーバーホール済の完動品を買った。傷みのない、ピカピカのボディで、露出計もバッチリ!


そのあと、また臨時収入があったので、新宿までいって、つぎはローライ3.5Fを買ったのが5月9日。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1844072853&owner_id=4279073
館林カメラ散歩で使った二眼レフが気に入ったので、いささかムリをしてローライに手をだしたのである(^^;)
ヤシカは国産二眼レフ最終機種。しかし、ファインダースクリーンが暗く、ピント合わせには難があると見極めたから。
トップにあげたのは、館林つつじヶ丘公園で撮った一枚。
わたしがわたしの作品の審査員なら、間違いなくこれが金賞だろう。

ややイエローに傾いた発色だが、そこに空気感が出ている。
ふらふらしていたら、女性たち三人連れがさそい合わせてつつじ見物にきていたのとすれ違った。
二人はおしゃべりに興じながらさっさと歩いていき、この子ひとり、少し遅れて歩いていた。その後ろ姿にピンときたので、シャッターを押した。ピントは6m、F値5.6~8、置きピンでよく使用する。
そのときはたいして自信があったわけではないけれど、現像があがってきたとき「お、これはなかなかの佳品、拾いものだぞ」とおもった。カメラはヤシカマット124G。

つぎに銀賞クラスを2枚ピックアップしてみよう。



<熊谷アジェ>アルバム「ローライフレックス3.5Fギャラリー」6.13


http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854581817&owner_id=4279073
なぜウジェーヌ・アジェかというのは、こちらの日記に書いたからくり返さない。
ここにも女性の後ろ姿が写っている。今年は“後ろ姿”にこだわった年となったのだ(笑)。
後ろ姿からただよってくる情感に魅せられ、そういうショットを意識的にねらっていた。
年間ベストの2枚を「後ろ姿」から、あらためて選ぶことになるとはおもわなかったけれど。

もう一枚の銀賞は、さて、どれにしたらいいだろう?
これかなあ。



<下校時>アルバム「ローライフレックス3.5Fギャラリー」6.7


この日のカメラ散歩は、日記「人の“絆”を大切にする中之条町を歩く」で書いた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1850617517&owner_id=4279073

出会いが身に沁みたすばらしい一日だった。
下校時の子どもに声をかけて撮影させていただいた写真は、このほかに十数枚ある。
中でも、この雨あがりの午後の一枚は、鮮明に記憶に焼き付いている。
カメラ目線の男の子が主役だろうが、右の男の子、後ろ姿の女の子が、なかなか味のある好ましい脇役をつとめてくれた。
雨に濡れた道が、右へとカーブしているのもいい。

二眼レフのウエストレベル・ファインダーは、被写体をアイレベルで直視しないから、威圧感をあたえない。こっちも自然体で人びとと向き合うことが可能となる。しかも、ローライはヤシカに比べ、マット面が明るく、ピントは合わせやすい。
もっとも、この場合も、露出を決めておいて、置きピンで撮っているんですけどね(^_^)/~

デジカメの「えせスクエアフォーマット」ではない。
ライカは金回りがよかった「はぐれ雲」時代にはまったけれど、ローライのユーザーになるなんて、去年まではまったく予想できなかった。

新鮮な果物にかぶりついたときのように、うるおいのある香気豊かな時間が、ゆっくりと通りすぎていった。
不自由なフィルムであえて撮影し、そこに定着された時間のいわば「後味」のすばらしさ・・・。そして、見直し作業をしながら、いま、それをふたたびこうして味わうことができるシ・ア・ワ・セ。



※写真は現像だけしてもらい、フィルムスキャナによってスキャンした画像です。

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