二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

野の花

2008年04月10日 | Blog & Photo
去年いくつか買ってきた図鑑のひとつに、
「野の花」がある。
わたしの住まいは、高崎市街と利根川にはさまれた田園地帯なので、
一歩外へ出ると、田んぼの畦や、水路の土手が拡がっている。

そこに「野の花」はある。
そして、ツクシの土手が・・・。
土筆、ツクシ、つくし。
子供のころは、こういった畦道をつたいながら、小学校までの2キロの道を、
えっちらおっちら通ったのだ。
春の野には、子供心を浮き立たせ、陽気にするものがたくさんあった。
道草をして、幼稚園や学校に遅刻したこともある。

関心がなければ、雑草として片づけてしまうような緑のうねり。
その1本、1本に名があるのは、だれだって知っている。
しかし、「名があるのは知っている」ことと「名をよく知っている」ことのあいだには、
大きなへだたりがある。

<せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ 七草>
http://www.hana300.com/haru77.html

自然のいぶき。
野の花。
幼年期をすぎてから、そんなものには、何の価値も見出せないまま、
うかうかと、数十年がたってしまった。
野の花はそこにある。
お天気がよければ、美しいチョウが、吸蜜に訪れていたりする。

たとえば、1キロ四方の原っぱがあったとしよう。
そこは、われわれの1000分の1ほどの彼らにとっては、
広漠たる「緑の海」であるはずだ。

広漠たる、緑の海。
チョウたちは、そこに浮かぶベネチアのゴンドラ。
少し疲れているな・・・。
ツクシが、こんなにもなつかしく、愛しいものに見えるとは。
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