二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「写真論集成」多木浩二(岩波現代文庫)レビュー

2011年04月10日 | エッセイ(国内)
「肖像写真 時代のまなざし」(岩波新書)につづいて、多木浩二さんの本を読んだので、 その感想を、ごくカンタンにとりまとめておこう。 本書カバー裏に次のような内容紹介が掲げてある。 『伝説の写真雑誌「プロヴォーグ」の理論的支柱であった著者の30年にわたる写真論を集成。内容は、真の形而上学的考察、写真史を画した写真家、人間の知覚を変容させた科学写真、写真メディア、ファッション写真などの議論に及ぶ。哲学、芸術史、記号論などの豊かな知見を背景に、「写真に何が可能か」「写真とは何か」を問う』 少し読みすすめていけばわかるが、この人は理論の人である。理知的で、抽象的なことばを哲学者のように駆使し、写真とはなにかを、さまざまな切り口によって解き明かしていく。 . . . 本文を読む
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S公園の午さがり

2011年04月10日 | Blog & Photo
4月に入り、いよいよ春本番。 ・・・と思ったら、昨日は朝からどんよりとしたお天気。 小雨がぱらぱら降っていた。 前橋市の県立S公園。 さすがに駐車場はアキが多く、人の姿はまばらだった。 賃貸の管理物件があるので、S公園周辺は、わたしのテリトリーのど真ん中。年中このあたりをクルマで走りまわっている。 . . . 本文を読む
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テリーとパピ その他の写真

2011年04月09日 | Blog & Photo
昔と比べて、人物スナップを撮るのがむずかしくなってしまった。 S公園で、三脚を据えた年配の女性カメラマンと立ち話をしたが、彼女もそんなことを嘆いていた。「だから、このごろは、自然の情景ばっかなの」と。 EOS50Dと、サードパーティー製標準ズームをつけて、水辺の一本桜をねらっている。 地元上毛写真連盟のメンバーだが、えらいセンセイたちが、こむずかしいことばかりいうので、最近は例会にはめったに顔を出さないそうである。 . . . 本文を読む
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メタリックな輝き

2011年04月08日 | Blog & Photo
リコーCX4のいろんな機能のひとつに、DRがある。 デュアルレンジというのだろうか? 2枚の写真を連続撮影し、それを合成することで、なめらかなつながりをもったグラデーションを作り出す。それを昨夜、はじめて使ってみた。 これは夜の駐車場で拾い上げた一枚。 わたしのクルマのヘッドランプによって、ネット・フェンスの反射が、 隣のクルマのブラック・ボディに映り込んでいる。 . . . 本文を読む
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セットアップ写真「トリエステの坂道」

2011年04月07日 | Blog & Photo
ニューカラーのつぎは、セットアップ写真。 アメリカにおける「写真の潮流」は、そんなコンセプトで、70年代後半から、人びとの注目を浴びてきた。ニュー・カラーではエグルストン。セットアップではフィリップ・ロルカ・ディコルシアが有名で、日本のフォトグラファーに多大な影響を与えてきた。 . . . 本文を読む
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とてもシュール! とてもジョイフル!

2011年04月06日 | Blog & Photo
どこへでもつれて出られるCX4を手にしたことで、 わたしの写真が少し変わった・・・と三毛ネコは考えている。 このあいだ、前橋市で家具職人の仕事場を見せていただいたが、 鉋、鑿だけで、それぞれ10種類以上の道具が壁をうめていた。 職人にとって、道具はいのちのつぎに大切なもの。 大部分の写真家(たとえアマチュアであろうが)にとっても、同じようなことが指摘できるだろう。 . . . 本文を読む
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石油と原子力の海の上に浮かぶ小舟

2011年04月05日 | Blog & Photo
3.11に起こった東日本大震災。 被災地はもちろんのこと、周辺地域にも甚大な影響をおよぼしていて、マスコミは震災報道一色といっていいようなありさまとなっていた。 日本列島が、石油と原子力の海の上に浮かぶ小舟であることを、多くの日本人がまざまざと実感したに違いない。 とくに東日本、・・・列島の1/3ほどが、福島第一原発の事故の影響下、いまだ計画停電だ、物資不足だという状況におかれている。 . . . 本文を読む
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わたしが好きなイメージの小枝

2011年04月04日 | Blog & Photo
このところ、「フラグメントCX4」という便利なタイトルで、テーマやモチーフにこだわらず、イメージの断片を集めてアルバムをつくっている。 「断片」という語はひどく無機質な印象があるから、「小枝」とでもいい換えたらいいかも知れない。そこから、三毛ネコがとくに心惹かれるイメージをを拾い上げてみよう。 . . . 本文を読む
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角の煙草屋までの旅

2011年04月03日 | Blog & Photo
「カメラ毎日」だったか「アサヒカメラ」だったか、はっきり覚えてはいないけれど、 その昔、写真家須田一政さんが「角の煙草屋までの旅」というスナップショットを雑誌に連載していたことがあった。 そうしたら、ついこのあいだ、同名の須田さんの写真展が開催されるという記事を、カメラ雑誌で見かけた。いまググってみたら、残念ながら、もう終了している。 吉行淳之介には、「角の煙草屋までの旅」という短編がある。 この語、どちらがさきなのかは知らないが、どちらが「ご本家」でも、むろんかまわない。 . . . 本文を読む
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カメラになった男 中平卓馬

2011年04月02日 | Blog & Photo
いったん忘れられたかに見えた写真家、中平卓馬に、いまあらたなスポットライトがあてられている。 彼はおよそアマチュアに好まれるような写真は撮らないし、難解でとっつきにくく、クソおもしろくもない写真を、毎日(文字通り毎日!)、営々と撮り続けている。 今年「Documentary」という大きな写真展が企画され、同名の写真集も刊行(限定2,000部)された。 これをきっかけに、「知る人ぞ知る」といった過去の写真家は、いまあらためて、広範囲の反響を呼ぶにいたった。 . . . 本文を読む
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