のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

忍路 4

2009-08-10 | 小説 忍路(おしょろ)
私はその少女を見たとき、不思議な感覚を覚えた。それはどうとも説明しがたいもので、不思議としか言いようのない一種の心の動揺であった。  少女はまっすぐな黒髪をお下げにした人形のようで、髪はつやつやと光り、まるで絵の世界から抜け出して来たように思えた。息をのんで見つめてしまうほどに私を惹きつける何かがあった。  少女の出現で、静かだった私の心は突然活気付き、坂下に去るとまた静けさがやってきた。私 . . . 本文を読む
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