のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

忍路 11

2009-08-17 | 小説 忍路(おしょろ)
 船と網、そして礒の香りが海の男を連想させるものだとしたら、その香りの失われた質素な忍路の港に清廉な少女の面影を感じたとしても、それはあながち私の一人合点ということにはならないだろう。そんな事を考えながら私はこの港を胸一杯に開いて眺め渡した。  するといつしか、私は里依子を思っている自分に気付いた。  この港が里依子を呼び起こしたのではなかった。無論それを否定するととは出来ないけれども、それ以 . . . 本文を読む
コメント