のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

忍路 9

2009-08-15 | 小説 忍路(おしょろ)
この静かな港が心をとらえるのは、黒々と眠る海面と水際の所々に不思議な岩のせいかも知れない。  その岩は蝋燭の炎のような形をして水面に立っており、見る者の心に不意打ちを与えた。近寄れば随分大きいだろう岩柱は、化石となった大木が元折れて風化したような趣があるのだ。  あるいは海岸にそって佇む質素な家のたたずまいがこの忍路の港をより印象付けているのかも知れない。それは言ってみれば、この地が観光地と . . . 本文を読む
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