のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

忍路 3

2009-08-09 | 小説 忍路(おしょろ)
 雪の浜辺には3人ほどの人がいた。何をしているのか知れなかったが悠長に陸揚げされた船の舳先でスコップをふるっていた。  その一団を遠目にして、私は雪の上を注意深く進んでいった。下手をすると柔らかい雪を深く踏み込んで、ブーツが埋まってしまうのだ。まるで地雷原に足を踏み込むようにしてようやく浜を尽き、細いZ字の道を登り始めた。その道は幾分踏み固められており、滑ることに気を使うだけで、足を取られること . . . 本文を読む
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